HuaweiのノートPC「MateBook Pro」に搭載されている、長らく謎に包まれていた独自開発プロセッサの正体が、最新のHarmonyOSアップデートを通じてついに明らかになりました。その名は「HUAWEI Kirin X90(麒麟X90)」。昨年5月の発表以来、8ヶ月以上の時を経て明らかになったこのチップは、高性能な10コアCPUと自社開発GPU、そして強力なAI処理能力を備えています。さらに、中国の最高レベルのセキュリティ認証も取得しており、MateBook ProはハードウェアからOSまで、まさに“完全国産”のエコシステムを構築しています。本記事では、Kirin X90の詳細なスペックから、Huaweiが目指す技術的自律性、そしてその背景にある戦略に迫ります。
プロセッサ「Kirin X90」の全貌がついに明らかに
最新アップデートで判明したMateBook Proの心臓部
Huawei MateBook Proは、HarmonyOS 6.0.0.130 SP13バージョンへのシステムアップデートを最新で提供しました。これにより、デバイス全体の安定性とパフォーマンスが向上し、よりスムーズな操作が可能になったほか、多くのゲームでキーボード・マウス操作モードがサポートされています。
しかし、今回のアップデートで最も注目すべきは、機能面ではなく、システムインターフェースでついに表示されたプロセッサの情報です。それは「HUAWEI Kirin X90(麒麟X90)」。昨年5月に世界初のHarmonyOSノートPCとして発表されて以来、8ヶ月以上もの間、その搭載プロセッサは明かされていませんでしたが、ついにその正体が判明した形です。
「Kirin X90」驚異のスペックとAI性能
Kirin X90の具体的なスペックは以下の通りです。
- コア構成:4+4+2(合計10コア20スレッド)
- 超スレッド技術:対応
- 最高動作周波数:4.2GHz
- GPU:自社開発GPUを統合
- NPU:デュアルDauphinアーキテクチャNPUを搭載
- AI演算能力:40TOPS
- AIモデル対応:DeepSeekのようなローカル大規模言語モデルの展開をサポート
このスペックからも、Kirin X90が単なる高性能チップに留まらず、AI処理能力においても非常に優れていることが伺えます。
ハードウェアからOSまで「完全国産」のセキュリティ
国家最高レベルのセキュリティ認証を取得
Kirin X90は、その性能だけでなく、セキュリティ面でも高い評価を得ています。昨年3月には、中国情報セキュリティ評価センターから「セキュリティ信頼性レベルII認証」を取得しました。これは、中国におけるチップのセキュリティ認証で最高レベルに位置付けられるものです。
この認証は、Kirin X90がコア技術の自律性、サプライチェーンの安全性、知的財産権のコンプライアンスといった側面において厳格な審査をクリアし、国家情報セキュリティ基準を満たしていることを意味します。
Huaweiが目指す技術的自律性とエコシステム
さらに、今年1月に発表されたレポートでは、HarmonyOSデスクトップシステムも同様にレベルII認証を取得していることが判明しました。これにより、HarmonyOSとその基盤となるチップの両方がセキュリティ信頼性評価を通過し、HuaweiのHarmonyOS PCはハードウェアからオペレーティングシステムまで、完全に国産化されたエコシステムを実現。極めて高いセキュリティ性を有することが公に示された形です。
まとめ
今回のKirin X90の詳細公開は、米国からの制裁下でも独自技術の開発を諦めず、むしろその歩みを加速させているHuaweiの強固な意志を示すものです。HarmonyOSとKirinチップによる「完全国産」のエコシステムは、中国国内市場での優位性を確立するだけでなく、将来的に国際市場にも大きな影響を与える可能性を秘めています。日本の消費者にとっては、海外ブランドの製品選定において、性能だけでなくセキュリティやサプライチェーンの透明性といった新たな視点をもたらすかもしれません。Huaweiの動向は、今後も世界のテクノロジー業界の大きな注目点となるでしょう。
元記事: mydrivers












