中国の電動歯ブラシ市場で、国産ブランド「usmile(ユースマイル)」が驚異的な躍進を遂げています。中国版Amazonとも呼ばれるECプラットフォーム「Tmall」では、usmileの特定製品リンクがわずか数カ月で販売数100万個を突破。外資系ブランドがひしめく市場で、同社はなぜこれほどまでに成功を収めているのでしょうか。新ブランドアンバサダーの起用、そして「口腔医学」に基づいた革新的な製品開発戦略が、その秘密を解き明かします。
中国電動歯ブラシ市場の覇者、usmileの快進撃
中国の伝統的な七夕(旧暦7月7日)を控え、各ブランドが商戦に力を入れる中、電動歯ブラシ分野で「国産ブランドNo.1」の呼び声高いusmileは、いち早くその存在感を際立たせました。Tmallの販売ページでは、同社のYシリーズ電動歯ブラシ(Y1S、Y1PRO、Y10の3製品)が、単一の販売リンクでなんと100万個以上の売上を記録。これは、中国市場におけるusmileの圧倒的な支持を裏付けるものです。
市場シェア首位を確立!外資系ブランドを打ち破る
この快進撃は、単なる一時的な成功ではありません。2023年上半期の中国口腔衛生ケア用品工業協会が発表したレポートによると、中国電動歯ブラシ業界のオンライン小売売上高シェアで、usmileは26.6%を占め、見事首位に輝いています。これは、これまで市場をリードしてきたフィリップスやオーラルBといった外資系大手ブランドの牙城を崩し、市場と製品競争力の両面でこれらを超える初めての国産電動歯ブラシブランドとなったことを意味します。
8月上旬には、新製品「Y10 Pro」を大手ECプラットフォームJD.comで先行発売。この際も、JD.comの家電部門における24時間のピーク時ランキングで、usmileは堂々のTOP1を獲得し、その市場影響力をさらに拡大しました。さらに、2023年度ファーウェイ開発者会議(HDC.Cloud 2023)の会場にも登場するなど、技術分野でも新たなベンチマークブランドとして注目を集めています。
口腔医学に基づいた「品効双収」戦略
usmileがこれほどの販売成果を達成できた背景には、単なるマーケティング戦略だけでなく、その根幹にある「口腔医学専門性」に裏打ちされた製品開発があります。同社は自らを「専門口腔ケアブランド」と位置づけ、口腔医学の視点から専門的なケア方法を製品の研究開発とデザインに深く統合しています。
スマート機能で専門的な歯磨きを「1秒」で習得
usmileのYシリーズ電動歯ブラシには、この専門性が色濃く反映されています。例えば、Y10シリーズに革新的に搭載されたスマートスクリーンは、歯磨きの効果をリアルタイムで表示。ユーザーが歯科医推奨の「バス法(BASS法)」と呼ばれる歯磨き方法を、わずか1秒で習得できるようガイドします。
さらに、最新の「Y10 Pro」モデルでは、プラーク(歯垢)モニタリング機能が追加されました。これにより、歯の状態を動的に評価し、プラークのレベルを自動で計算。適切なタイミングでの口腔洗浄を促すことで、プラークの生成を根本から抑制し、口腔疾患のリスクを低減する画期的な技術です。
usmileは、こうした医学的根拠に基づいた製品開発に加え、専門技術の蓄積によって業界全体の高品質な発展を牽引しています。今年6月には、電動歯ブラシのプラークバイオフィルム清掃効果の体外評価に関する標準策定にも参画するなど、その専門性と影響力は計り知れません。
まとめ:技術革新と消費者の信頼が生む未来
usmileの成功は、中国市場における国産ブランドの台頭と技術革新の象徴と言えるでしょう。単に「売れる」だけでなく、製品の品質と効果を追求する「品効双収(品質と市場成果の相乗効果)」という戦略が、消費者の厚い信頼を獲得した鍵です。口腔医学の専門知識を日々のケアに取り入れ、スマート技術で可視化・最適化するアプローチは、今後のヘルスケア家電製品の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
中国市場で外資系ブランドを凌駕したusmileの躍進は、日本のスマート家電市場にも新たな競争と技術革新の波をもたらすかもしれません。口腔ケアへの意識が高まる中、このような革新的な製品が日本の消費者にどのような影響を与えるか、今後の展開に注目が集まります。
元記事: it168
Photo by Tara Winstead on Pexels