中国発の新作アクションゲーム『Lost Soul Aside(ロスト・ソウル・アサイド)』が、8月29日の正式リリースを経て、世界的なゲームレビュー集積サイトMetacriticでのメディア総合評価を公開しました。最終的な平均スコアは62点(21件のメディアレビューに基づく)となり、戦闘システムが高く評価される一方で、物語やキャラクター描写には改善の余地があるという、賛否両論の評価が寄せられています。本記事では、その詳細な評価内容と、この意欲作が日本のゲーマーにとってどのような体験をもたらすのかを深掘りしていきます。
『ロスト・ソウル・アサイド』Metacritic評価を読み解く
待望のリリースを果たした『Lost Soul Aside』は、中国のインディースタジオUltiZero Gamesが開発を手がけたアクションRPGです。今回のMetacriticでのメディア総合評価は62点という結果になり、内訳は高評価が2件、中評価が17件、低評価が2件と、メディアによって意見が分かれる形となりました。一方で、ゲーマーからの評価は8.0点と比較的良好で、「伝統的なアクションゲームへのリスペクトを感じる」といった声も上がっています。
このスコアは、AAAタイトルと比較すると特筆すべきものではありませんが、開発の歴史が長く、そのグラフィックの美しさから注目を集めてきた本作が、実際にどのようなゲームプレイを提供しているのかを示す重要な指標となります。多くのメディアが、その優れたアクション部分と、惜しまれるその他の要素を指摘しています。
メディア各社の評価ポイント:光る戦闘と惜しまれるストーリー
高評価点:爽快な戦闘アクションと自由度の高いコンボ
複数のメディアが共通して絶賛しているのは、本作の戦闘システムです。IGNスペインは「全体的なリズムが狂気的で緊迫しており、戦闘テンポが速く爽快」と評価し、ゲームを進めるにつれてその楽しさが増していくと述べています。GamingBoltも「戦闘システムは堅実で、優れたアクションゲームになる可能性を秘めている」と指摘。GamesRadar+は、序盤の冗長さを乗り越えれば「非常に爽快で面白い戦闘システム」が隠されていると評価しています。
特に、武器が変形するギミックは豊富なコンボの可能性を生み出し、Eurogamerドイツも「ボス戦は挑戦的で、非常に自由なコンボの余地も提供している」と、その深みを評価しています。精密な操作とテクニックを要求される戦闘は、アクションゲーム愛好家にとって大きな魅力となるでしょう。
課題点:物語、キャラクター、そしてゲーム全体の磨き込み
一方で、多くのメディアが課題として挙げているのが、物語、キャラクター、そしてゲーム全体の洗練度です。IGNスペインは「物語が平凡で、キャラクターが平坦で共感しにくい」とし、「世界観の構築も興味をそそらない」と厳しい評価を下しています。GamingBoltも「重要度の低いストーリーと明らかに磨き込み不足によって、戦闘システムの長所が覆い隠されている」と指摘。
GamesRadar+は、魅力的な戦闘システムが序盤の「冗長で退屈な開局」によって見えにくくなっているとし、プレイヤーを深く探索させる十分な理由がゲームに欠けていると感じています。Eurogamerドイツに至っては、「平凡なストーリー、浅薄なキャラクター造形、そして粗削りな磨き込み」が全体的な体験を大きく損ねていると結論付けています。技術志向のアクション愛好家は楽しめるかもしれないが、一般的なプレイヤーにとっては欠点の方が目立つという意見が多いようです。
今後の展望:アクションファンは注目か?
『ロスト・ソウル・アサイド』は、そのルーツが日本の人気アクションゲームにインスパイアされているとされており、ハイスピードでスタイリッシュなアクションを求める日本のゲーマーにとっては、注目に値するタイトルと言えるでしょう。PS5とPCでリリースされており、特に美麗なグラフィックと爽快な戦闘は、中国ゲーム開発の技術力の高まりを示す象徴的な作品でもあります。
物語やキャラクターに深みを求めるプレイヤーにとっては物足りなさを感じるかもしれませんが、純粋にアクションの面白さを追求するならば、この『Lost Soul Aside』は一度プレイしてみる価値のある作品かもしれません。今後のアップデートや、より多くのプレイヤーの手に渡ることで、本作に対する評価がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。
元記事: gamersky
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