2025年10月27日、中国産ビジュアルノベルゲーム『我的高冷女友』が、Nexonからの著作権侵害申し立てによりSteamから削除されるというニュースが報じられました。当初、パブリッシャーであるLoveStoryProject(以下、LSP)は、Valve社に異議を申し立て、ゲームの早期再公開を目指す声明を発表していました。
しかし、最新の情報によると、このゲームの制作者「小心八木唯」氏が自ら事の経緯を詳細に明かし、パブリッシャーLSPの対応に激しい怒りを表明しています。この問題は、単なる著作権侵害にとどまらず、クリエイターとパブリッシャー間の信頼関係や対応のあり方について、大きな議論を呼んでいます。
中国ゲーム『私の高冷女友』Steamから突如削除の波紋
発端は『ブルーアーカイブ』著作権侵害疑惑
『我的高冷女友』がSteamから削除された発端は、Nexonからの著作権侵害申し立てでした。LSPは当初、この問題に対し公式声明を発表し、Valve社への申請を通じてゲームの再公開を目指す意向を示していました。
しかし、制作者である「小心八木唯」氏は、このLSPの声明と、それに対するコメント欄での「盗作」という批判の多さに違和感を覚え、沈黙を破ることを決意します。氏は以前、アカウントの運営権をLSPに預けていましたが、現在はこれを回収したとのこと。パブリッシャーからゲーム削除の報を受けた際の困惑、そしてその後LSPが公開した声明に対し、多くの人が「見世物」として冷笑している現状を見て、「本当に自分がここまで罪深いのか?」と憤りを感じたといいます。
制作者とパブリッシャーの間に亀裂:LSPの消極的姿勢
「修正しても無駄」LSPの無責任な対応
ゲーム削除後、制作者はすぐにLSPに対し、画像を修正するなどの方法で問題を回避し、ゲームの再公開を目指せるか確認しました。しかしLSPからは、「変更しても無駄」「あとは待つしかない」「その後は天命に任せる」という極めて消極的な回答しか得られなかったとのこと。制作者はパブリッシャーを信頼し、それ以上何も言いませんでした。
しかし、一週間待っても何の進展もなく、LSPが公開した声明は、具体的な解決策を提示しないまま、「待つしかない」という内容に終始していました。制作者は、ゲームが削除されてからわずか4日で発表されたその声明が、何の具体的な解決策も示していないことに強い不満を抱いています。
LSPに進捗を問い合わせた際も、「本当に訴訟になってゲームが公開できなくなっても、それは仕方ない。心配しても無駄だから、結果を待てばいい」という返答だったといい、制作者はさらに憤慨しました。自身の多大な労力と費用が無駄になり、万が一Nexonとの訴訟に発展すれば、さらに事態は悪化する。それにもかかわらず、LSPにとっては、このプロジェクトは「いつでも簡単に切り捨てられる小さなプロジェクト」に過ぎないと感じているのです。
著作権侵害の認識と食い違い
著作権侵害の核心についても、制作者は自身の見解を述べています。氏は、人気ゲーム『ブルーアーカイブ』のキャラクター「アロナ」が非常に好きで、そのためゲーム内のキャラクターをアロナ風に「コスプレ」させたとのこと。この際、LSPに事前に確認したところ、「問題ない」「他のゲームでも似たような要素があるが、追及されていない」と回答されたと主張しています。
制作者は悪意を持って著作権を侵害する意図は一切なく、ゲームの宣伝で『ブルーアーカイブ』やアロナの名前を使うこともありませんでした。関連するコンテンツもごく一部のコスプレシーンに限られ、素材もぼかしたり細部を修正したりして、リスク回避を試みたといいます。しかし、現在では積極的に修正に協力する意思があるにもかかわらず、LSPとの意思疎通の機会すらなく、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)を通じてSteamから強制削除されたことに無力感を覚えています。制作者はすでにLSPに対する一切の期待を失っており、仮にゲームが本当に「お蔵入り」になったとしても、それを受け入れるしかないと語っています。
まとめ
今回の『我的高冷女友』のSteam削除と、それに続く制作者によるパブリッシャー批判は、中国のインディーゲーム開発における著作権問題、そしてクリエイターとパブリッシャー間の関係性に大きな課題を投げかけています。特に、著作権侵害に対する認識の齟齬や、危機管理におけるパブリッシャーの対応の甘さが浮き彫りになりました。
この一件は、ゲーム開発において、著作権に関わる要素を取り入れる際の慎重さ、そして何よりもクリエイターとパブリッシャーが密に連携し、透明性の高いコミュニケーションを保つことの重要性を強く示唆しています。日本のゲーム業界においても、IP(知的財産)の取り扱いや、インディーゲームのパブリッシングにおける契約関係は常に重要なテーマです。今回のケースは、他国の事例として学び、同様の問題が起こらないよう再確認する良い機会となるでしょう。
元記事: gamersky
Photo by Daniel J. Schwarz on Pexels












