中国のゲーム大手miHoYoが、資本市場で大きな注目を集めています。2022年の厳しい時期を経て、この数ヶ月間で同社が投資した3社もの企業が、香港証券取引所への上場申請を相次いで行いました。この動きは、miHoYoの広範かつ戦略的な投資ポートフォリオが実を結び始めていることを示しており、ゲーム関連のサプライチェーンだけでなく、AI、新エネルギー、商業宇宙といった最先端技術分野への大胆な進出も明らかになっています。かつての逆風を跳ね返し、新たな飛躍を遂げるmiHoYoの動きから目が離せません。
miHoYoの投資戦略が成果!IPO申請相次ぐ3社
中国の著名ゲーム開発会社であるmiHoYo(ミホヨ)は、ここ数ヶ月で資本市場においてその存在感を大きく高めています。特に注目すべきは、過去にmiHoYoが投資した3社が、相次いで香港証券取引所への上場申請を行ったことです。
- 2023年11月27日、miHoYoが第2位の機関投資家であるソーシャルアプリ「Soul」の親会社が3度目の香港上場プロセスを開始しました。
- 2023年12月21日、miHoYoが2023年と2024年に二度にわたって投資したAI企業MiniMaxが、香港証券取引所の公聴会を通過し、2026年1月9日の上場を予定しています。
- 2024年1月1日、miHoYoが2021年から最大の外部投資家となっているIP派生品プラットフォームSuplayが、香港証券取引所に上場申請を提出しました。
これらの動きは、2022年にトラブルに巻き込まれたmiHoYoが、見事に逆境を乗り越え、資本圏での「得意げに胸を張る」瞬間を迎えていることを示しています。
広範な投資ポートフォリオ:ゲームからハイテク分野へ
miHoYoの投資は、単に自社のゲーム開発を補完するだけに留まりません。我々の調査によると、miHoYoは現在までに直接30社もの企業に投資しており、その範囲は多岐にわたります。具体的には、アニメ制作、アート、音声制作、パブリッシングといったゲームのサプライチェーン全体を網羅しています。
さらに注目すべきは、miHoYoが人工知能(AI)、新エネルギー、商業宇宙といった最先端技術分野にも積極的に投資を行っている点です。これは、ゲーム業界の枠を超え、未来のテクノロジーへの投資を通じて、新たな成長機会を追求する同社の野心的な姿勢を浮き彫りにしています。
ゲーム関連サプライチェーンへの戦略的投資
2021年以前のmiHoYoの投資戦略は、主に自社ゲーム関連の各工程を円滑に進めることに焦点を当てていました。投資対象プロジェクトの利用頻度も非常に高いのが特徴です。
- 例えば、2018年に投資したアートアウトソーシングプラットフォーム「米画師(Mihuashi)」では、これまでにmiHoYoが263件もの依頼を完了させており、「崩壊3rd」のライブ配信素材のイラスト制作など、現在も継続して利用されています。
- 同年投資したアニメ制作会社「吾立方程(Wulifangcheng)」は、「崩壊3rd」のブロニーとゼーレのPV、「原神」の原宇宙映写祭、Astra Carnivalアニメーションなど、miHoYo傘下の多くの製品のアニメ制作を手がけています。miHoYoのアニメ制作チームmiHoYo Animeは、外部チームとの協力で経験と教訓を蓄積したと述べており、吾立方程もその一翼を担っていると考えられます。吾立方程は現在、「王者栄耀(Honor of Kings)」や「鳴潮(Wuthering Waves)」などの他社有名ゲームの映像制作も担当し、「哪吒之魔童降世(Ne Zha)」といったアニメ映画にも参加しています。
- 2019年に投資した音声制作会社「奇響天外(Qixiangtianwai)」は、一部で「miHoYo御用達の音声制作会社」とまで言われています。「崩壊3rd」の無量塔姫子、「原神」のクレー、鍾離、エウルア、「崩壊:スターレイル」のAR-214、ブローニャなど、多くのmiHoYo作品の人気キャラクターのCVを奇響天外が担当しており、創業者の彭博(Peng Bo)氏は「原神」の中国語版音声監督も務めていました。
- 2020年と2021年には、クラウドゲーミング技術を提供する「蔚領時代(Weiling Shidai)」に二度にわたり増資しました。後者はmiHoYoと協力し、2021年に「雲・原神(Cloud Genshin)」をリリースし、最も成功したクラウドゲームのパイオニア事例の一つとなりました。これにより、多くの大手ゲーム会社がクラウドゲームのリリースに追随するきっかけを作りました。
IP派生品分野への注力
ゲーム開発だけでなく、IP派生品(マーチャンダイジング)分野にもmiHoYoは深く関心を寄せています。
- 2017年には、海外ACG(アニメ・コミック・ゲーム)代行購入プラットフォーム「萌購(Moegou)」の親会社である「凌夢科技(Lingmeng Keji)」に投資。現在でも萌購プラットフォームでは、「原神」関連の多数の派生商品を見つけることができます。
- 2018年には、Apex-Toys(湧思文化)の設立に投資し、同時にApex-Toysの共同監修者として自社製品の派生品制作にも関与しています。2019年には、世界初の完全浮遊構造1:1等身大美少女フィギュア「崩壊3rd 旗袍・八重桜」を発表し、一躍その名を轟かせました。
まとめ:グローバル展開と多角化への展望
miHoYoの戦略的投資は、単なる資金提供に留まらず、自社のゲーム開発エコシステムを強化し、同時に将来性のある高技術分野への多角化を図る意図が明確に見て取れます。今回、投資先企業3社が相次いでIPO申請を行ったことは、同社の投資手腕と未来を見据えた戦略の成功を示すものです。
特にAIや商業宇宙といった分野への投資は、今後miHoYoがゲーム会社という枠を超え、より広範なテクノロジー企業としての地位を確立していく可能性を秘めています。日本のゲームファンや投資家にとっても、中国テック企業のこうしたダイナミックな動きは、今後の市場トレンドを読み解く上で重要な指標となるでしょう。
元記事: news
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