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非伝統的パブリッシャー「Raw Fury」開発者支援の秘訣

indie game studio game development team - 非伝統的パブリッシャー「Raw Fury」開発者支援の秘訣

スウェーデン発の独立系ゲームパブリッシャー「Raw Fury」をご存知でしょうか? 彼らは、製品収益の公平な「五分五分」分配、そして全ての「契約条項を公開」するという、ゲーム業界の常識を覆す大胆なアプローチで、設立からわずか10年で大きな注目を集めています。「開発者が成功し、喜び、そして独立を保つこと」を最優先する彼らの哲学は、どのようにして多くの人気インディータイトルを生み出し、業界に変革をもたらしているのでしょうか。

Raw Furyの「非伝統的」な哲学

2015年、スウェーデンの首都ストックホルムで誕生したRaw Furyは、創業当初から自らを「非伝統的なパブリッシャー」と位置づけてきました。共同創業者たちは、「人間中心」の理念を掲げ、常に「利益よりも喜びを優先」し、ビデオゲームを敬意を払うべき「芸術」として捉えています。彼らの長期的なビジョンは、開発者にとってより有利な協力モデルを採用し、「開発者が成功し、喜び、独立した状態を保つ」こと。この約束は、過去10年間で「王国」シリーズ、『Sable』、『Norco』、『Cassette Beasts』、そしてゲーム・オブ・ザ・イヤー(TGA)で「ベストインディーゲーム」にノミネートされた2025年リリースの『Blue Prince』といった数々の人気タイトルを通じて、着実に実を結んでいます。

なぜ今、新しいパブリッシャーが必要なのか?

Raw Furyの創業は、ゲーム業界が大きな変革期を迎えていた2010年代初期に遡ります。ジョナス・アントンソン氏がParadoxの同僚と共に会社を設立した当時、ゲームの販売チャネルは実店舗からデジタルプラットフォームへと移行し、UnityやGameMakerといったゲームエンジンが台頭。Epic GamesもUnreal Engineを月額20ドル未満で提供するなど、小規模開発チームでも手の届く環境が整備されつつありました。さらに、Steam Greenlight(後にSteam Directへ移行)やKickstarterといったクラウドファンディングプラットフォームの急速な発展は、「独立系開発者はもうパブリッシャーを必要としない」という見方すら生み出しました。

しかし、かつてモバイルゲームスタジオを創業し、Paradoxでモバイルゲーム事業の副社長を務めた経験を持つアントンソン氏は、この状況を冷静に分析していました。「モバイル市場は、かつてはブルーオーシャンでしたが、わずか数年で危険なレッドオーシャンへと変貌しました。この状況はやがて、全てのプラットフォームに広がるでしょう」と彼は語ります。アントンソン氏は、小規模チームが新しいチャネルを通じてゲームを市場に投入できるようになったとしても、「膨大な数の製品の中からゲームを際立たせ、プレイヤーの注目を広く集める方法を真に理解している人たち」の助けが時間とともにますます必要になると洞察しました。伝統的なパブリッシャーのモデルは、実体のあるゲーム販売が主流だった時代の名残であり、物理的な物流と密接に結びついていたため、独立系開発者には不向きだと考えたのです。

『Kingdom』との出会い、Raw Fury創業のきっかけ

Raw Furyが目指す新しい開発者との協力モデルを実現するために、アントンソン氏が最初に見出したのが、トーマス・ファンデンベルフ氏が開発したFlashゲーム『Kingdom』でした。2013年にリリースされたこのピクセルアートのシンプルな横スクロールRTSは、馬に乗った君主となり、金貨で放浪者を雇い、城壁を築いて夜間の敵襲から領地を守るというゲームで、熱狂的なファンとゲームメディアの称賛を集めていました。

ファンデンベルフ氏は、このゲームを商業作品として完成させるため、KickstarterでPCとモバイル版の資金を募り、自力でのSteamリリースを目指しましたが、マーケティングの難しさに直面し、目標額の半分しか集まりませんでした。この状況こそが、Raw Furyが独立系開発者に提供できる価値を浮き彫りにしたのです。

アントンソン氏は「『Kingdom』には計り知れない可能性があると確信していました。トーマスと出会う前から、あのFlashゲームに夢中でした」と語ります。奇遇にも、ファンデンベルフ氏のパートナーがアントンソン氏の旧会社Gogogicで働いていた縁で、二人は出会うことになります。当初30分を予定していたミーティングは、熱い議論で午後の大半を費やすこととなりました。アントンソン氏は、この出会いを通じて独立系開発者のサポートに特化した新しい会社を設立する決意を固めたのです。

まとめ:ゲーム業界の未来を示すRaw Furyの挑戦

Raw Furyの挑戦は、単にインディーゲームを世に送り出すだけでなく、ゲーム開発者が自らの創造性を最大限に発揮し、経済的な安定と精神的な満足を得ながら、独立した存在であり続けることを可能にする新しい業界モデルを提示しています。収益の透明性、公正な契約、そして「喜び」を最優先する彼らの哲学は、これからのゲーム業界、特に独立系開発者にとって、大きな希望となるでしょう。日本でもインディーゲームが盛り上がりを見せる中、Raw Furyのようなパブリッシャーの存在は、開発者とプレイヤー双方に新たな価値をもたらす可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

元記事: chuapp

Photo by RDNE Stock project on Pexels

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