中国の半導体・ディスプレイ材料大手「鼎龍股份(Dinglong Holdings)」(証券コード:300054.SZ)が先日開催した業績説明会で、同社の幹部が投資家や市場の注目を集める質問に詳細に回答しました。特に、フォトレジスト材料の国産化戦略によるサプライチェーンの安定化と、CMP研磨材料事業の顕著な成長が強調され、半導体分野での存在感を一層高めていることが明らかになりました。技術開発と生産能力の拡大を通じて、同社はグローバル市場での競争優位性を確立しつつあります。
中国半導体材料を牽引する鼎龍股份
鼎龍股份は、半導体およびディスプレイ製造プロセスに不可欠な高機能材料を提供する中国のリーディングカンパニーです。今回の業績説明会では、投資家向け交流プラットフォームを通じて、同社の核となる事業戦略、生産能力計画、そして市場での競争優位性について多岐にわたる情報が共有されました。
フォトレジストの国産化でサプライチェーンを強化
同社の取締役兼秘書役、副総経理である楊平彩氏によると、鼎龍股份は高効率なウェハー用フォトレジスト事業において、機能性モノマーやポリマー樹脂といった中核原材料の自社開発・生産を実現し、完全な上流原材料システムを構築しています。この戦略により、サプライチェーンの安定性が確保されるだけでなく、国際市場への依存度を大幅に低減することに成功しました。同氏は、現在の国際情勢の変化がフォトレジスト原材料の供給に実質的な影響を与えていないことを強調。これは、独自の開発システムと製品プロセスの高度な連携により、純度管理と性能適合性において顕著な優位性を確立しているためです。
さらに、ディスプレイ材料分野では、OLEDフレキシブルディスプレイ用フォトレジスト事業が特に好調です。国内の主要パネルメーカーにとって不可欠なサプライヤーとして、鼎龍股份はこのニッチ市場で圧倒的なリードを保っています。長年の技術蓄積、優れた製品性能、そして顧客との深い協力関係が、同社の総合的な競争優位性を構築。継続的なコスト最適化と顧客サービス体制の強化を通じて、市場での地位を不動のものにしています。競争激化する業界にあって、同社は製品性能の向上を最重要戦略と位置づけています。
CMP研磨材料事業の急成長と生産能力拡大
楊平彩氏は、CMP(化学機械研磨)研磨材料事業における詳細な生産能力拡張計画も明らかにしました。武漢本社に設置されている研磨パッド生産ラインは技術アップグレードを完了し、月間生産能力が5万枚にまで向上。これにより、今後3年間の市場需要を十分に満たすことができる見込みです。
特に大口径シリコンウェハーおよび第3世代半導体分野への対応を強化するため、同社は光電半導体材料研究開発製造センターを建設中です。この新センターでは、年間40万枚の大口径シリコンウェハー用研磨パッドの生産能力が追加される予定です。また、潜江園区では先進パッケージング分野に注力しており、年間20万枚の研磨ソフトパッドおよび関連バッファパッドの生産能力が形成され、現在、生産能力増強の段階にあります。
数字で見る半導体事業の躍進
財務データを見ると、鼎龍股份の半導体セグメントの成長は非常に顕著です。2025年には、主力の半導体事業で売上高20.86億元(約440億円※)を達成し、前年比37.27%の大幅な成長を遂げました。これは、同社全体の売上高の実に57%を占めています。特に、CMP研磨パッド事業の売上高は10.91億元(約230億円※)で、驚異的な52.34%の増加を記録しています。研磨液および洗浄液事業も売上高2.94億元(約62億円※)、前年比36.84%増と堅調な伸びを示しています。※1元=21円で換算
まとめ:技術革新と国産化で加速する未来
鼎龍股份は、今後も技術研究開発を原動力とし、顧客ニーズに応じた製品ポートフォリオの改善と、システム化された供給能力の向上に注力していく方針です。中国が半導体サプライチェーンの自給自足を目指す中で、鼎龍股份のような企業が果たす役割はますます重要になっています。フォトレジストやCMP研磨材料といった中核部品の国産化は、地政学的なリスクが高まる現代において、サプライチェーンの安定化と競争力強化の鍵となるでしょう。日本の半導体業界にとっても、中国市場の動向とそこに台頭する企業の技術力は、無視できない影響を持つことになるでしょう。
元記事: pcd
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