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2026年Q1中国ゲーム市場が急成長!TapTap10周年、騰訊AI進化と新作続々

China mobile gaming AI gaming technology - 2026年Q1中国ゲーム市場が急成長!TapTap10周年、騰訊AI進化と新作続々

2026年第1四半期(Q1)の中国ゲーム市場は、売上が970億元(約2兆円)を超えるなど驚異的な成長を見せています。モバイルゲームの堅調な伸びに加え、クライアントゲームや海外市場での売上も大きく増加しました。そんな活況の裏では、ゲームプラットフォーム「TapTap」が10周年を迎え、テンセントは革新的な3D生成AIを発表。一方で、ゲーム業界の発展に貢献した久游網(9You)創業者の訃報もあり、光と影が交錯する最新の動向を日本の読者向けに深掘りします。

躍進する中国ゲーム市場とキープレイヤーの動向

中国のゲーム業界は、その巨大な市場規模と革新性で常に世界の注目を集めています。特に2026年第1四半期は、目覚ましい成長を遂げました。

市場規模が970億元を突破!成長を牽引するモバイルとクライアントゲーム

2026年4月17日に中国音数協ゲーム工委(中国のゲーム産業を統括する団体、日本のCESAに相当)が発表した報告によると、同第1四半期の中国ゲーム市場の実際の売上高は971.72億元に達し、前年同期比で13.38%という高い成長率を記録しました。中でも、モバイルゲーム市場は676.23億元で前年比6.28%増、クライアントゲーム市場は249.76億元で前年比30.38%増と、大幅な伸びを見せています。また、中国独自開発ゲームの海外市場での売上も63.31億ドル(約431.63億人民元)に上り、前年比31.76%増と、国際的な存在感を強めています。

「良いゲーム」を追求し10周年を迎えたTapTap

「良いゲームを見つける」という明確なビジョンを掲げ、2016年にサービスを開始したTapTapがこの度10周年を迎えました。開発者への収益全額還元という画期的なビジネスモデルを特徴とし、中国国内で最も影響力のあるゲームプラットフォームの一つへと成長。最近では、AIを活用したゲーム創作ツール「TapTap製造」を発表し、さらなる開発者支援とゲーム制作の敷居を下げる取り組みを進めています。10周年記念イベントでは、プレイヤーへの感謝を込めた特典や、自身のゲーム歴を振り返る「10年プレイヤーレポート」が提供され、コミュニティの絆を深めています。

吉比特、主力ゲームの好調で株価ストップ高を記録

大手ゲーム企業の吉比特(GIBIT)は、2026年第1四半期の純利益が前年同期比で59%から87%増となる4.5億元~5.3億元を見込む業績予想を発表し、4月15日には株価がストップ高を記録しました。これは、2025年にリリースされた『杖剣伝説』(中国本土版および海外版)や『問剣長生』といった複数のタイトルが、今年に入り安定した収益期に入り、大きく貢献しているためと考えられます。

ゲーム業界に大きな足跡を残した久游網創業者 王子傑氏が逝去

2024年4月14日、久游網(9You)の創業者である王子傑氏が心臓の病で上海にて急逝されました。王子傑氏は、かつて日本のコナミに勤務し、その経験を活かして2004年に久游網を設立。『勁舞団』や『仙剣OL』、『魔力宝貝II』といった人気オンラインゲームの中国代理運営を手がけ、中国ゲーム業界に大きな影響を与えました。その後、同氏はエンターテイメント分野に軸足を移し、女性アイドルグループSNH48を創設するなど、多岐にわたる活躍を見せました。日本のゲーム業界との縁も深く、その訃報は多くの関係者に惜しまれています。

ゲーム開発の最前線と未来を拓くテクノロジー

中国のゲーム開発は、革新的な技術導入と高品質なコンテンツ制作の両面で進化を続けています。

テンセント「混元3D世界2.0」が描くゲーム制作の未来

テンセントのAI部門「テンセント混元」は、4月16日に3D世界生成AIモデル「HY-World 2.0」をオープンソースで公開しました。このモデルは、「世界随心造(思いのままに世界を創る)」「ワンクリックで編集可能な3Dシーン生成」「多視点・動画からの現実世界復元」「キャラクターモード」という4つの主要な特徴を持ちます。開発者はこの技術を用いて、直接編集可能な3Dアセットファイルを生成し、ゲームエンジンやシミュレーションエンジンに直接インポートできるため、ゲーム制作の効率を大きく向上させる可能性があります。特に3Dレベルデザインにおいては大きな影響を与えるかもしれませんが、実用化され開発パイプラインに完全に統合されるまでには、まだ一定の時間と課題があることも指摘されています。

世界的ヒット作『王者荣耀世界』とAI不使用を貫く『影之刃零』

テンセントの天美工作室が開発した『王者荣耀世界』は、PC版の正式リリース後、モバイル版も中国App Storeで無料および売上ランキングで首位を獲得し、サーバーの待機列が一時10万人を超えるほどの人気を博しました。その戦闘システムと、家園建造、百家職業、写真システムなどUGC(ユーザー生成コンテンツ)を含む多岐にわたる「プラットフォーム化」されたオープンワールド体験は高く評価されています。しかし、スキップできないムービーやミニマップの欠如、モバイル版の最適化不足といった課題も浮上しており、制作チームは早急な改善を約束しています。その一方で、莫大な『王者荣耀』のユーザーベースと、WeChat/QQを通じた現実のソーシャルネットワークを背景に、初月売上が14億~25億元に達するとの予測も出ています。

一方、注目のアクションRPG『影之刃零』は、制作プロデューサーである梁其偉氏が、ゲームのすべてのコンテンツは「人間のアーティストによって完成され、アーティストの創作意図を変えうるいかなるAIグラフィック技術も使用しない」と明言し、品質への徹底したこだわりを見せています。現在は、ストーリー、キャラクターモデル、アクション、戦闘・育成メカニクス、ローカライズ、機種適応、性能最適化といった最終段階の開発に集中しているとのことです。

まとめ:進化を続ける中国ゲーム業界の未来と日本への示唆

2026年第1四半期の中国ゲーム市場は、その売上規模と成長率において、改めて世界の注目を集める結果となりました。特にモバイルゲームの安定した成長、クライアントゲームの復調、そして海外市場での力強い伸びは、中国ゲーム業界の多角的な発展を示しています。

テンセントが発表した3D生成AI「HY-World 2.0」は、ゲーム開発のパラダイムを変える可能性を秘めており、今後の進化と実用化の動向は日本のゲーム開発者にとっても見逃せない情報となるでしょう。AI技術の積極的な導入と、一方で『影之刃零』のように「人間の手による創作」を強調する姿勢は、中国ゲーム業界が技術とアート性の両面で、高品質なコンテンツを追求する段階に入っていることを示唆しています。

久游網の創業者である王子傑氏の訃報は、中国ゲーム業界の初期を築いたパイオニアが、日本のゲーム文化から多くを学び、その後の発展に大きく貢献したことを改めて想起させます。また、TapTapの10周年やINDIE Live Expoへの中国インディーゲームの選出は、多様なゲームが生まれ、国際的なプラットフォームを通じて世界に発信されている現状を映し出しています。

中国ゲーム市場の活況と技術革新は、日本市場にも大きな影響を与える可能性があります。今後も中国発のヒット作や先進的な開発手法が、日本のゲーム業界に新たな刺激と競争をもたらすことは間違いありません。互いの強みを活かした連携や、新たなビジネスチャンスの創出にも期待が集まります。

元記事: chuapp

Photo by RDNE Stock project on Pexels

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