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中国ゲーム業界、躍進の夏!心動の驚異的成長と新作ラッシュ

Chinese mobile game AI game - 中国ゲーム業界、躍進の夏!心動の驚異的成長と新作ラッシュ

2025年8月、中国ゲーム業界がかつてないほどの活況を呈しています。大手企業の目覚ましい業績発表から、革新的な新作ゲームの登場まで、まさに「躍進の夏」と言えるでしょう。特に、心動社の純利益200%超えという驚異的な成長、テンセントが仕掛ける仮想アイドルゲーム《虚環》の革新性、そしてmiHoYo共同創設者・蔡浩宇氏によるAIゲームなど、日本のゲーマーも見逃せないニュースが盛りだくさんです。本記事では、この熱狂の背景と注目すべきトピックを深掘りします。

中国ゲーム企業が示す驚異的な成長と新たな動き

心動(XD Inc.)が純利益215%増を達成!TapTapも好調

中国を代表するゲーム会社の一つ、心動(XD Inc.)は、2025年上半期の業績が大幅に向上する見込みだと発表しました。売上高は前年同期比約37%増の30.5億元(約610億円)以上、そして純利益はなんと前年同期比約215%増の7.9億元(約158億円)以上を記録する予想です。この目覚ましい成長は、《仙境传说M:初心服(ラグナロクM:オリジン)》、《心动小镇》、《火炬之光:无限(トーチライト:インフィニット)》といった自社開発ゲームの強力なパフォーマンスに加え、広告アルゴリズムの改善とユーザーエンゲージメント向上に牽引されたゲームプラットフォーム「TapTap」の持続的な成長によるものです。この発表を受け、8月5日には香港株式市場で心動の株価が一時40%近く上昇し、最終的に24.76%高で取引を終えるなど、市場の期待の高さが伺えます。

また心動は、前巨人網絡CEOの呉萌氏が設立したスタートアップMiAOに対し、1400万ドルを投じて5.3%の株式を取得したと発表しました。この投資によりMiAOの企業価値は2.64億ドル(約528億円)に達し、近年稀に見る高評価のスタートアップとして注目を集めています。MiAOは過去に数百万DAU(デイリーアクティブユーザー)を誇る《球球大作战》や《太空杀》を開発した実績があり、心動の今回の投資は、有望なチームのイノベーション能力を取り込む先行的な戦略的布石と言えるでしょう。

巨人網絡(Giant Network)の株価急騰と《超自然行動組》の大ヒット

巨人網絡もまた、8月4日に株価がストップ高を記録し、今年5月からの累計上昇率は84.36%を超えるなど、絶好調です。この株価上昇の主な牽引役は、新作ゲーム《超自然行動組》の爆発的な人気です。同作は2025年のChinaJoyで没入型ブースを展開し、大きな話題を呼びました。夏休みの恩恵もあり、6月にはプラットフォーム全体で月間売上7000万元(約14億円)を突破、同時接続者数は100万人を超え、1日の平均ユーザープレイ時間は130分を記録するなど、まさにスター製品級の成功を収めています。

革新を追求する次世代ゲームの登場

テンセント《虚環》:仮想アイドルが織りなす新体験

テンセント傘下のモバイルゲーム《虚環》は、8月4日に第2弾PVを公開し、2026年1月に初のテストプレイを開始すると発表しました。このPVは動画プラットフォームBilibiliで2日間に1000万回再生を突破し、サイト全体のランキングで最高1位を獲得するなど、大きな反響を呼んでいます。《虚環》は「リアル仮想アイドル」をキャラクターに据えた世界初のゲームとされており、星瞳、雫lulu、七海Nana7mi、永雛タフィーといった中国の有名仮想アイドルたちが多数参加します。仮想配信者が実際に経験した出来事を脚色したストーリーも含まれており、現実と虚構の境界を曖昧にする画期的な設定が特徴です。現実世界を映し出し、時に風刺するような深みのある作品になる可能性も秘めており、そのリリースが期待されます。

miHoYo共同創設者・蔡浩宇氏のAI新境地《Whispers from the Star》

miHoYo(ミホヨ)の共同創設者である蔡浩宇氏が設立したAnuttacon社から、AIを駆使した新作ゲーム《Whispers from the Star》が北京時間8月15日9時(日本時間同日10時)にSteamで発売されます。本作は買い切り型で、リリース時点では英語のみ対応ですが、そのコンセプトは革新的です。開発チームはこれを「初のFPT(First Person Talking)ゲーム」と称しており、プレイヤーは自然言語での会話を通じて、表情、音声、身振り手振りといった自然なフィードバックを得られます。これはAI技術をゲームに応用した重要な試みであり、開発チームは「誰もがもう一つの魂と共にある、精神的な安らぎを得られる仮想世界」という未来像を描いています。このゲームが、AIとのコミュニケーションがより人間らしくなる未来のゲーム体験の第一歩となるかもしれません。

続々登場する注目タイトル

  • 《明日方舟:終末地(アークナイツ:エンドフィールド)》:2025年のChinaJoyでは、ソニーPlayStationブースで開発中のPlayStation版のデモが15分間にわたり公開されました。探索、工場システム、キャラクター戦闘など、多くの最適化された内容が披露され、プレイヤーの期待を高めています。
  • 《無畏契约:源能行動(VALORANT Mobile)》:ライアットゲームズの人気PCゲーム『VALORANT』のモバイル版が、8月19日に正式リリースされると発表されました。すでに予約数は6000万を突破しており、PC版のゲーム体験を完全に再現しつつ、モバイルに最適化された操作性を提供するとされています。テンセントは今後3年間で15億元(約300億円)以上の資金を投入し、「VALORANT」IPのモバイルエコシステム構築を推進すると表明しており、日本のモバイルゲーマーにとっても大きな注目を集めるでしょう。
  • 《穿越火线:虹(CrossFire: Rainbow)》:テンセントの人気IP「穿越火线(クロスファイア)」シリーズの新作として、8月9日に初のゲームプレイPVが公開されました。Unreal Engine 5で開発され、PCとモバイルの両方に対応する本作は、美しいグラフィックと没入感の高いゲーム内容が特徴です。
  • 莉莉丝(Lilith Games)《遠光84(Farlight 84)》:人気モバイルゲーム《AFKアリーナ》などで知られる莉莉丝は、6年以上の開発期間を経て、英雄シューティングゲーム《遠光84》のグローバル両プラットフォーム向けオープンベータテストを8月7日に開始しました。
  • 国産ARPG《失落之魂(Lost Soul Aside)》:「全ての開発内容が完了した」と発表され、中国のインディーゲーム開発の成熟度を示す一例として期待が高まっています。

まとめ:日本市場への示唆と今後の展望

中国ゲーム業界の「躍進の夏」は、日本のゲーム市場にも大きな示唆を与えています。心動や巨人網絡の驚異的な成長は、中国市場の規模と勢いを改めて示し、またTapTapのようなプラットフォームがプレイヤーと開発者の双方に価値を提供している実態も明らかになりました。テンセントの《虚環》や蔡浩宇氏のAIゲーム《Whispers from the Star》は、仮想アイドルやAIといった先端技術をゲーム体験にどう統合していくかという、未来のゲームの方向性を指し示しています。

特にVALORANT Mobileのように、世界的に人気のあるIPがモバイル市場で大規模な投資と共に展開されることは、今後、日本のモバイルゲーム市場にも強い影響を与える可能性があります。中国発の革新的なタイトルが、より多様な形で世界市場、そして日本市場に参入してくることを予感させます。今後も中国ゲーム業界の動向は、世界のゲームトレンドを占う上で、目が離せないでしょう。

元記事: chuapp

Photo by Pavel Danilyuk on Pexels

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