2026年3月、中国ゲーム業界は活発な動きを見せています。政府によるゲーム版号(ライセンス)の大量発行、人気IPの新作リリース、大手ゲーム企業の好調な決算報告、そしてクリエイターたちの新たな挑戦まで、多岐にわたるニュースが飛び交いました。特に、騰訊(Tencent)の新作MMO《洛克王国:世界》の爆発的ヒットや、《率土之濱》の元プロデューサーがmiHoYoから巨額投資を受けたニュースは、日本のゲームファンにとっても見逃せない情報です。この記事では、中国ゲーム業界の「今」を凝縮してお届けします。
中国ゲーム市場に活気!版号発行と人気IPの最新作
133作品が新たに版号を獲得、カジュアルゲームが主流に
3月25日、中国国家出版総署は国産・輸入ゲーム合わせて133作品に新たな版号(ライセンス)を発行しました。これにより、2026年第1四半期の発行総数は467作品に達し、中国ゲーム市場の活況を裏付けています。特に注目すべきは「カジュアルパズル」ジャンルの増加で、全体の約42.3%を占める55作品がこのカテゴリーに属しています。騰訊の《粒粒的小人国》など、大手企業の新作も多数含まれており、今後の展開が期待されます。
(補足:版号とは、中国でゲームをリリースするために必須となる政府の許認可制度です。取得が難しい時期もあり、発行状況は市場の健全性を示すバロメーターとされています。)
騰訊《洛克王国:世界》が大ヒット、IPの力を見せつける
騰訊の魔方工作室群が開発したペット育成MMORPG《洛克王国:世界》が、3月26日のオープンベータテスト開始後、瞬く間に大成功を収めました。公開初日にはiOS無料ゲームランキングで首位を獲得し、売上ランキングでも最高3位にランクイン。わずか13時間で新規ユーザー数が1500万人を突破したと発表されています。同作は400種類以上のペットを実装し、キャラクターの外観課金モデルを採用。「洛克王国」という強力なIP(知的財産)の活用、上海美術映画製作所など他社IPとのコラボレーション、人気KOL(インフルエンサー)との連携など、多角的なプロモーション戦略が功を奏した形です。
大手企業の最新決算と注目のクリエイター動向
金山軟件、吉比特、祖龍娯楽の2025年決算報告
- 金山軟件(Kingsoft Software):ゲーム事業収入は前年比28%減となりましたが、これは前年度の高いベースと既存タイトルの減速が影響しています。一方で、今年初めにリリースされた《鵝鴨殺》(Goose Goose Duck)のモバイル版が予想を上回る大ヒットとなり、新規ユーザー数3000万人以上、DAU(デイリーアクティブユーザー)約300万人を維持しています。
- 吉比特(G-bits):2025年は売上高が前年比67.89%増の62.05億人民元、純利益が89.82%増の17.94億人民元と大幅な増収増益を達成しました。特に《杖剑传说》や《问剑长生》などの新作が業績を牽引し、高額な配当金も発表しています。
- 祖龍娯楽(Archosaur Games):売上高は前年比14.3%増の13.04億人民元と微増ながら、赤字が87.2%減の3670万人民元まで大幅に縮小しました。これは主力タイトル《以閃亮之名》の安定した人気に加え、新作の寄与とマーケティング効率の改善が要因です。
ゲーム業界を動かすキーパーソンの新展開
中国ゲーム業界では、才能あるクリエイターの動向も注目を集めています。前網易(NetEase)のインタラクティブエンターテイメント部門責任者であり、人気SLG《率土之濱》のプロデューサーだった李凱明氏が立ち上げた新会社「微霄科技」が、なんとmiHoYo(米哈游)とIDGから投資を獲得したことが明らかになりました。李氏の新会社は既に1億ドル以上の評価額に達していると報じられており、今後の作品に大きな期待が寄せられています。
また、人気モバイルゲーム《摩尔庄园》の元プロデューサー鄭宙理氏が、網易(NetEase)の「Eggyスタジオ」に加入し、大ヒット作《蛋仔派对》のサブコンテンツ開発に携わることが判明しました。一度は創業の道を選びましたが、その経験を経て大手企業で新たな挑戦をする鄭氏の今後の活躍にも注目です。
騰訊の新作二次元RPG《虚环》が初のテスト開始
騰訊の独立部門CDDが手掛ける二次元ストラテジー育成RPG《虚环》が、3月24日に初の非公開テスト「初見回」を開始しました。Unityエンジンで開発された本作は、「V界」のバーチャルライバーIPとの連携を特徴としており、星瞳(シン・トン)、七海Nana7mi、恬豆発芽了といった人気バーチャルライバーの参加が既に決定しています。二次元とVチューバー文化の融合という新たな試みが、どのように市場に受け入れられるか注目されます。
今後の中国ゲーム市場と日本への影響
2026年3月の中国ゲーム業界は、版号の安定的な発行、人気IPの成功、大手企業の堅調な業績、そして有力クリエイターの積極的な動きなど、全体として非常に活気のある状況を示しています。特に注目すべきは、騰訊の《洛克王国:世界》のようなIPを活用した大型タイトルの成功と、miHoYoが有力クリエイターに投資するなど、業界の成長を促す動きが活発化している点です。
カジュアルゲームの台頭や、二次元×バーチャルライバーといった新しいゲーム体験の追求は、今後の日本のゲーム市場にも何らかの影響を与える可能性があります。中国市場の動向は、単なるビジネスニュースに留まらず、ゲームデザインやマーケティング戦略の未来を占う上でも重要な指標となるでしょう。今後も中国ゲーム業界の革新的な動きから目が離せません。
元記事: chuapp
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