2025年8月9日から10日にかけ、中国・深セン体育館で「2025『クロスファイア』IP嘉年華(IPカーニバル)暨双端夏季赛总决赛」が盛大に開催され、大成功のうちに閉幕しました。17周年を迎えた人気FPSゲーム『クロスファイア』シリーズの年に一度の祭典として、「こんにちは、火線世界」をテーマに、最新作の情報公開、白熱のeスポーツ決勝戦、そしてIPの枠を超えた深セン市との大規模なコラボレーションが展開され、会場は熱気に包まれました。
テクノロジー都市・深センと融合!最先端のゲーマー体験「国潮」
今年の「『クロスファイア』IP嘉年華」は、広東省新聞出版局と深セン市文化広電旅游体育局の指導のもと、テンセントが主催。8月2日からは、深センというテクノロジーの最先端都市との革新的な連携がスタートしました。万象天地や深セン人才公園といった都市のランドマークを舞台に、AIやドローンといった深センの先進技術を駆使し、没入感と未来感を兼ね備えた「国潮」の文化体験ルートが創出されました。「国潮」とは、中国の伝統文化と現代トレンド、テクノロジーが融合した新しいカルチャーで、デジタルと最先端技術が一体となった深センの新たな魅力をCFer(『クロスファイア』プレイヤー)たちに提示しました。
深センの街が『クロスファイア』の世界に!
万象天地に設置された『クロスファイア』テーマ街区は、オープンと同時に深センの人気スポットとなり、関連トピックは動画共有サービス「抖音(Douyin)」の深セン地域ランキングで1位を獲得するほどでした。プレイヤーはロボット「スワット」に合わせて『クロスファイア』にちなんだダンスを楽しんだり、「タイムトンネル」LEDウォールでIPの熱い歴史を振り返ったり、AIアルゴリズムで自分だけの装備を制作できる「AI兵器工房」を体験しました。また、深セン人才公園では、フードデリバリー大手「美団」のドローンが、ゲームの世界観を模した「補給物資」を空中投下するなど、ユニークな企画も実施されました。
夜空を彩るドローンショーと17年の軌跡を辿る博物館
8月8日夜には、深セン人才公園で『クロスファイア』ドローン光影ショーが上演されました。数百機のドローンが編隊を組み、巨大な空中投影スクリーンと完璧に連携。スワットが空中で銃を放つ姿や、火麒麟AK47が夜空を切り裂く様子、輸送船が雲を突き破って現れるなど、ゲームの名場面を光のイリュージョンで描き出し、深センの夜空に「火線(クロスファイア)」の世界を鮮やかに彩りました。さらに、8月8日から17日までの期間限定で、IP初の没入型オフライン展示「『クロスファイア』タイムミュージアム」が開催され、17年間の軌跡を辿る展示は、多くのプレイヤーの青春の思い出を呼び起こし、深い感動を与えました。
新作『クロスファイア:虹』発表!IPの未来を拓く
嘉年華の開幕と共に、多くのCFerが待ち望んでいた新情報が続々と公開されました。IP発表のセッションでは、「こんにちは、火線世界」という新しいIPチャプターが発表され、ガードとスパイの宿命的な対決から、傭兵代理戦争、生化学兵器の戦いまで、異なるタイムラインで描かれる『クロスファイア』の世界観が提示され、より豊かで斬新なプレイ体験が約束されました。さらに、大ヒットSF映画『流浪地球2』(The Wandering Earth 2)とのコラボレーション開始も発表され、火線世界で人類の未来の物語がどのように展開されるのか、今後の情報解禁に期待が高まります。
次世代FPS『クロスファイア:虹』がUE5で登場
製品発表セッションでは、2つの大型新作が正式に発表されました。一つ目は、Smilegateがライセンス供与し、琳琅天上工作室が開発、K1パートナーシップ部門が運営する『クロスファイア:虹』です。Unreal Engine 5で開発されたこのFPSタイトルは、ハードコアな戦術要素とダイナミックな環境デザインを特徴とし、より没入感のある戦場体験を提供します。微ホラー要素や非対称対戦の要素も取り入れられ、『クロスファイア』IPの未来を担う作品として、業界内外から注目を集めています。
もう一つは、Unreal Engine 5を搭載したシングルプレイのAAA級シューティング大作です。映画のようなクオリティで、『クロスファイア』IPの起源となる物語を再構築し、世界観と物語にさらなる深みをもたらすとのことです。既存のPC版『クロスファイア』、HD版『クロスファイア HD競技区(CFHD)』、モバイル版『クロスファイア:モバイル(CFM)』も、それぞれシーズン制の更新、システムの最適化、新コンテンツの追加、豊富なプレイヤー特典を提供し、継続的な進化を遂げています。特にPC版では、プレイヤーがマップやゲームモードを作成できる「火線工坊2.0」がアップデートされ、創造の自由度が大幅に向上しました。
異業種コラボとコミュニティとの対話
また、『クロスファイア』シリーズは、新興EVブランドであるZEEKR(極氪)との深度なクロスオーバーコラボも実現。「MK23-ZEEKR 007GT」や「ORIGIN12-ZEEKR 001」といったコラボレーション武器やアイテムが、今後各プラットフォームのゲーム内に順次登場する予定です。IPの境界を広げ続ける一方で、『クロスファイア』は常にプレイヤーとのコミュニケーションを重視しており、嘉年華期間中には、開発チームとプレイヤーが直接交流する「17周年校友会」と題されたファンミーティングも開催され、活発な意見交換が行われました。
まとめ:『クロスファイア』が示す中国ゲームIPの未来
2025年の『クロスファイア』IP嘉年華は、単なるゲームイベントの枠を超え、深セン市との大規模な連携や最先端のテクノロジー(Unreal Engine 5、AI、ドローン)を駆使した「国潮」体験を提供することで、中国ゲームIPの新たな可能性を提示しました。新作『クロスファイア:虹』の発表は、IPの継続的な進化と現代技術への適応を示しており、既存タイトルの継続的なアップデートと異業種コラボレーションは、IPの寿命を延ばし、多様なファン層を獲得する戦略が明確に現れています。テンセントの強力な推進力と、コミュニティとの密接な連携が、この国民的FPSタイトルを今後も中国ゲーム市場の最前線で輝かせ続けるでしょう。日本のゲームファンにとっても、中国のゲーム開発とIP展開の規模と多様性を示す、示唆に富むイベントとなりました。
元記事: chuapp
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