ポーランドのゲーム開発大手CD Projekt Red(以下、CDPR)が、最新の決算説明会で『ウィッチャー3 ワイルドハント』の新作DLC『Songs of the Past』(旧題: 昔日の曲)の開発状況を公開しました。注目すべきは、このDLCの開発に携わるチームの規模が、なんと『ウィッチャー3』本体の初期開発チームをも上回る約190人体制であること。しかし、この大規模な開発の裏側には、CDPR独自の戦略が隠されていました。一体、どのような体制で、長年愛される名作の新たな物語が紡がれるのでしょうか?
『ウィッチャー3』新DLC、驚異の開発体制とその背景
CDPRが先日発表した『ウィッチャー3 ワイルドハント』の新作DLC『Songs of the Past』は、発売から11年が経過した今も多くのファンに支持される傑作の新たな章として、大きな期待を集めています。
同社の共同CEOであるミハウ・ノヴァコフスキ氏によると、このDLCの開発には現在、約190人のフルタイム開発者が従事しており、すでに本格的な生産段階に入っているとのことです。この数字は驚くべきもので、オリジナル版『ウィッチャー3』の初期開発チームが平均約160人であったことを考えると、その規模の大きさが際立ちます。オリジナル版ですら、発売直前に『サイバーパンク2077』チームが合流してようやく205人体制になったことを踏まえると、単体のDLCとしては異例の「豪華な布陣」と言えるでしょう。
開発の裏側:外部委託戦略の真相
Fool’s Theoryとの強力なパートナーシップ
しかし、この190人の開発者の大半は、実はCDPR本社ではなく、協力開発会社であるFool’s Theoryスタジオのメンバーです。ノヴァコフスキ氏は、「この190人の開発者の大部分は、我々が信頼を置くパートナー、Fool’s Theoryから来ています」と明言しています。CDPR本社は主にクリエイティブ監修を担当し、「プレイヤーが『ウィッチャー』らしい中核的な体験を得られるよう保証する」役割を担っているとのこと。
この大胆な外部委託戦略は、CDPRの現在の開発リソース配分を見れば、その理由が理解できます。最新の決算報告によると、2024年4月30日時点でのCDPR本社のフルタイム開発者配分は以下のようになっています。
- 『ウィッチャー4』(Project Polaris): 513人
- 『サイバーパンク2』(Project Orion): 163人
- Project Sirius(シングル・マルチプレイを含む独立したウィッチャー新作): 83人
- Project Hadar(ごく早期の企画段階): 24人
- 共有サービス(ローカライズ、QA、データ分析など): 173人
- その他: 19人
これらの大規模プロジェクトが同時進行しているため、『Songs of the Past』はCDPR本社の「その他」カテゴリ(最大19人)に分類されると推測されます。つまり、CDPRは主要なリソースを新作ゲームに集中させつつ、『ウィッチャー3』DLCのようなファン待望のプロジェクトは、信頼できるパートナーに開発を委ねるという戦略をとっているのです。
もちろん、品質への懸念を持つファンもいるかもしれません。しかし、Fool’s Theoryスタジオのコアメンバーの多くは、かつてCDPRで『ウィッチャー』シリーズの開発に携わったベテランで構成されています。このため、両社は芸術的ビジョンやストーリーテリングにおいて、共通の理解を持っているとされています。これにより、外部委託でありながらも、オリジナルの「ウィッチャー」体験を損なわない品質が期待できるでしょう。
まとめ:期待高まる新DLCの未来
このように、大規模かつ経験豊富なチームが投入されることから、『Songs of the Past』が単なる小規模なDLCではなく、ボリュームのある大型拡張パックになると多くのファンが期待しています。CDPR自身も、この新作DLCを『ウィッチャー3』の伝説的な拡張パック『血塗られた美酒』に匹敵する「神級拡張パック」として位置づけている節があり、ファンの期待は最高潮に達しています。
CDPRの巧みなリソース管理と、信頼できるパートナーとの協業によって生み出される『Songs of the Past』が、日本のウィッチャーファンにどのような感動をもたらすのか、今後の続報から目が離せません。
元記事: gamersky
Photo by Ramazan Ataş on Pexels












