欧米日の厳しい制裁が続く中、中国が半導体先進プロセスの生産能力を2030年までに驚異の25倍に拡大するという、野心的な計画を発表しました。特に7nmや5nmといった微細化プロセスに焦点を当て、国産チップの供給力を大幅に強化する狙いです。この大胆な目標の背景には何があるのか、そして実現に向けた課題とは? 中国の半導体産業を牽引するSMIC(中芯国際)の動向を中心に、その戦略と国際社会への影響を深掘りします。
制裁下で加速する中国の半導体戦略
中国は、海外からの最新鋭製造装置の入手が困難な状況にもかかわらず、半導体産業の自給自足を強力に推進しています。今回明らかになった計画は、今後2年間で生産量を5倍、そして2030年までに現在の25倍へと飛躍的に増加させるというものです。関係者情報によると、2028年頃までに7nmおよび5nmクラスの先端プロセスチップの月間生産能力を、現在の2万枚未満から約10万枚まで引き上げることを目指しています。さらに、長期的な目標として、2030年頃には月間50万枚もの先進プロセスチップを生産できる体制を確立しようとしています。
中国唯一の7nmメーカー、SMICの現状と展望
現在、中国国内で唯一7nmクラスのチップを製造できる企業は、国策半導体メーカーであるSMIC(中芯国際)です。同社は長年にわたり、上海、深圳、北京に持つウェハー工場で先進プロセスの生産能力を段階的に拡大してきました。半導体業界の分析機関SemiAnalysisの予測では、SMICの2025年の先進プロセス月間生産能力は5万枚に迫るとされています。
興味深いのは、SMICが制裁下にもかかわらず、海外から半導体製造装置の調達を継続できているという点です。これは、輸出規制政策とその執行の厳格さに限界があることを示唆しており、SMICの生産能力拡大を支える要因となっています。
設備調達の課題とSMICの戦略
しかし、この計画には具体的な課題も存在します。SMICの趙海軍(Zhao Haijun)共同CEOは最近、外部要因の影響により、既に購入済みの主要設備の一部が今年中に生産ラインに投入できない可能性があると発言しました。これは、他の関連設備の調達が滞っているためで、全体として生産ラインの構築に時間差が生じているためです。
それでも、SMICは生産能力拡大の歩みを止めることはなく、同時に成熟したプロセス技術(成熟プロセス)にも大きな注力を続ける方針を示しています。これは、先進プロセスと同時に、幅広い産業ニーズに応える多角的な戦略を展開していることを意味します。
日本の読者への影響と今後の展望
中国の半導体産業が制裁という逆境の中で、これほどまでに野心的な生産能力拡大を目指すことは、日本の半導体産業やサプライチェーン、そして世界のテクノロジー競争に大きな影響を与える可能性があります。もし中国が目標通りに先進プロセスの国産化と量産化を進められれば、世界の半導体供給構造が変化し、地政学的なパワーバランスにも影響を及ぼすかもしれません。一方で、設備調達の課題など、計画通りに進まないリスクもはらんでいます。中国の「技術独立」に向けたこの挑戦は、今後も国際社会が注目すべき重要な動向と言えるでしょう。
元記事: mydrivers
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