アップルがインテルと半導体製造の分野で協力を再開するかもしれません。著名アナリスト、ジェフ・プー氏の最新レポートによると、2028年以降に登場するであろうiPhoneの「A22」チップの一部を、インテルが受託製造する可能性が浮上しています。これは単なる噂にとどまらず、アップルのサプライチェーン戦略、ひいては世界の半導体業界の勢力図に大きな影響を与えるかもしれません。
AppleとIntel、再び手を組む?iPhoneチップ製造の新展開
今回の提携は、かつてMacに搭載されていたインテル製x86アーキテクチャプロセッサの供給とは一線を画します。インテルがアップル設計のArmアーキテクチャチップをファウンドリ(受託製造)として生産するという、新たな協力関係となる見込みです。つまり、インテルはアップルのチップ設計思想に沿って製造を担当する役割を担うことになります。
ターゲットはiPhoneの基幹チップ、リスク分散が鍵
協力の初期段階では、非Pro版iPhone向けのチップが対象となるとされています。具体的には、登場が予想されるiPhone 20やiPhone 20eなどに搭載される「A22」チップが、インテル製の工場から出荷される可能性があるわけです。もちろん、アップルがiPhoneチップの設計を引き続き主導し、インテルが担当するのはあくまでごく一部の受託製造量に過ぎません。主要な製造パートナーとしては、引き続きTSMCがその座を維持すると見られています。
この動きの背景には、半導体業界における複数の要因が絡み合っています。特に、NVIDIAのAIサーバー向けチップ需要が爆発的に増加し、TSMCにとってNVIDIAが最大の顧客となったことで、ハイエンドプロセス技術の生産能力をめぐる競争が激化しています。このような状況で、アップルがインテルを製造パートナーとして加えることは、単一のファウンドリへの過度な依存を避け、サプライチェーンのリスクを分散するという明確な狙いがあります。地政学的リスクや生産能力の逼迫といった状況下でも、iPhoneやMac向けチップの安定供給を確保するための戦略的な一手と言えるでしょう。
過去の協力と未来への展望
アップルとインテルの間には、実は過去にも多くの協力関係がありました。例えば、iPhone 7からiPhone 11までは、インテルがベースバンドチップを供給していましたし、2006年から2020年まではMac向けにx86アーキテクチャプロセッサを提供していました。しかし、2020年以降、アップルがMacを自社開発のApple Siliconへと移行したことで、PCチップ分野における両社の協力関係は徐々に薄れていきました。
今回の新たな提携では、インテルがTSMCの3nm級プロセスに相当するとされる14A/18Aプロセス技術を提供する可能性があります。しかし、これらのプロセスはまだ大規模な量産実績がないため、懸念も残ります。アップルはチップの歩留まり(生産されたチップのうち、欠陥がなく正常に動作するものの割合)に非常に高い要求を持っており、例えばTSMCの3nmプロセスでは90%以上の歩留まりを求めていると言われています。もしインテルの歩留まりがこの基準に達しない場合、協力の進捗に影響が出る可能性も指摘されています。
まとめ
今回のアップルとインテルによる提携の可能性は、半導体業界、特にファウンドリ市場に新たな競争の波をもたらすかもしれません。アップルはサプライチェーンの安定化とリスク分散を図り、インテルはファウンドリ事業の拡大を目指すという、両社にとって戦略的なメリットがあります。TSMCの一強体制に変化の兆しが見える中で、2028年以降のiPhoneチップがどこで、どのように製造されるのか、そしてそれがインテルのファウンドリ事業にどのような影響を与えるのか、今後の動向から目が離せません。
元記事: mydrivers
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