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「タコフ系」旋風の裏側!生みの親が語る「愛か憎悪か」10年開発の真髄

Game development, Tactical shooter - 「タコフ系」旋風の裏側!生みの親が語る「愛か憎悪か」10年開発の真髄

脱出シューター系ゲーム(中国では「搜打撤」と称されます)が、今、中国ゲーム業界を席巻する一大トレンドとなっています。PC、コンソール、そしてモバイルに至るまで、あらゆるプラットフォームで新作が続々と登場し、熾烈な競争が繰り広げられています。この過熱ぶりは、一部の海外開発者から「タコフ系ゲームがゲーム業界を破壊した」とまで揶揄されるほど。そんな熱狂の中心にあるのが、このジャンルのパイオニア的存在『Escape from Tarkov』です。リリースから約9年が経過する今、その生みの親が語る「プレイヤーを愛死させるか、恨み死させるか」という究極の開発哲学とは一体何なのでしょうか。

中国ゲーム業界を席巻する「脱出シューター」旋風

「搜打撤」という言葉をご存知でしょうか?これは中国のゲーム業界で急速に広まった造語で、「探索(搜)、戦闘(打)、撤退(撤)」、すなわち「脱出シューター」系ゲームを指します。現在、このジャンルは中国市場において最も注目され、同時に最も競争が激しい分野の一つとなっています。

ByteDanceが最新作『霧影猎人』で版号(中国国内でのゲーム配信許可証)を取得し、テストプレイを開始したのをはじめ、テンセントは『三角洲行動』、『暗区突围』、『Exoborne』、さらには未公開プロジェクトに加え、『和平精英(PUBG Mobile)』の「地下鉄モード」を含む、少なくとも5つの脱出シューター系タイトルを開発中と報じられています。さらに、NetEaseの『永劫無間』は武侠テイストの脱出シューターモードを追加し、Yostar(鷹角網絡)の『湍流』、Hero Gamesの『机械启元』も開発中と噂されています。

驚くべきことに、これらの中国国内タイトルにとどまらず、ソニーの新作『マラソン』もこのジャンルに参入しており、ほぼすべての主要なゲームメーカーが脱出シューターの開発に注力している状況です。この過剰なまでの新作ラッシュに対し、海外の開発者からは「タコフ系ゲームがゲーム業界を壊した」と、皮肉を込めたコメントも聞かれるほど、その影響力は計り知れません。

『Escape from Tarkov』:愛と憎悪を呼ぶ10年開発の真髄

この脱出シューターというジャンルの草分け的存在こそが、ロシアのゲームスタジオBattlestate Gamesが開発した『Escape from Tarkov(エスケープ・フロム・タルコフ)』です。2016年8月のリリース以降、瞬く間に世界中のハードコアゲーマーを熱狂させ、現在のブームの礎を築きました。

しかし、『Escape from Tarkov』は爆発的な人気を博した一方で、ベータ版のリリースから実に9年もの間、開発が続いています。記事のタイトルにある「10年硬核開発」という言葉が示す通り、この長期にわたる開発と運営こそが、同作の魅力と課題の両面を象徴していると言えるでしょう。

「プレイヤーを愛死させるか、恨み死させるか」という、開発者の究極とも言える思想は、『タルコフ』の持つ容赦ない難易度、リアリズム、そして一度得た装備を失うリスク(ロストシステム)に色濃く反映されています。これらの要素が、一部のプレイヤーには中毒的な達成感をもたらす一方で、別のプレイヤーには計り知れないストレスを与えることで知られています。この「ハードコア」な体験こそが、『タルコフ』が単なるゲームを超え、多くのフォロワーを生み出す原動力となっているのです。

日本のゲーム市場と今後の展望

中国を筆頭に世界中で熱狂的な支持を集める脱出シューター系ゲームは、日本のゲーム市場にも確実に影響を与え始めています。高難易度でありながらも、探索と物資収集、そして予測不能なプレイヤーとの遭遇による緊張感が、他のジャンルでは味わえない独特のゲーム体験を提供します。

今後、日本国内のゲームメーカーからも独自の解釈を加えた脱出シューター系タイトルが登場する可能性や、既存の有力タイトルのモードとして実装されるケースも増えていくでしょう。プレイヤーを究極の選択と緊張感の中に突き落とすこのジャンルが、次にどのような進化を遂げ、ゲーム業界に新たな刺激をもたらすのか、その動向から目が離せません。

元記事: gamelook

Photo by Bulat Khamitov on Pexels

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