ゲームにおける繰り返しの作業を「打工(アルバイト)」と称する現象は、中国のゲーマーの間でよく見られます。特にGaaS(Games as a Service)タイトルでは、こうした「強制労働」とも言える要素が批判の的になりがちです。しかし、『PowerWash Simulator』のように、プレイヤーが自ら積極的に「作業」を楽しむタイプのゲームは、むしろストレス解消や心流体験として人気を集めています。今回ご紹介するのは、そんな「積極的な作業ゲーム」に新たな境地を切り拓く中国発のユニークなシミュレーションゲーム『図書館員:整理魔法図書館吧』です。
「作業ゲーム」の新たな潮流:苦痛から快感へ?
多くのプレイヤーがゲーム内の反復作業を「アルバイト」と揶揄する一方で、その作業自体が娯楽となるゲームも存在します。例えば、高圧洗浄機でひたすら汚れを洗い流す『PowerWash Simulator』は、その清掃行為が驚くほどの爽快感とデトックス効果をもたらすと評判です。また、ゴミの片付けから壁の塗装まで、家を美しくしていく『Hozy』も、静かで心温まる雰囲気が評価されています。
そして、このジャンルに新たに加わったのが『図書館員:整理魔法図書館吧』です。そのタイトルの通り、プレイヤーのミッションはただ一つ――妖精によってめちゃくちゃにされた魔法図書館に散らばった、合計3072冊もの本を全て書架に戻すことです。図書館に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がる大混乱の光景はまさに圧巻。「この図書館に来たのは妖精じゃなくて、まるで『オーバーウォッチ』の戦場か?」と中国のゲーマーが冗談めかして評するほどです。
この初期段階の体験は、まさに「万事开头难(何事も最初が肝心)」を痛感させられます。3000冊以上の本の中から、手探りで正しいシリーズを探し出し、正しい場所に並べる作業は、まるで大海から一本の針を探すような途方もなさです。序盤の1時間は特に苦労を強いられるでしょう。しかし、この最初の困難を乗り越えた先に、このゲームの真の魅力が待っています。
カオスからの解放:魔法スキルで効率アップ!
苦労して一連の本を正しい場所に収めると、点数を獲得し、整理を助ける魔法スキルがアンロックされます。これらのスキルは全部で5種類あり、それぞれアップグレードも可能です。
- 配列:手元にある本を自動的に番号順に並べ替えます。
- 自動上架:持っている本を瞬時に書棚に収めます。
- 書架指引:手元の一番上の本に対応する書架が光って場所を示します。
- 洞察の目:手元の一番上の本と同名の本が全て光ります。
- 手到擒来:手元の一番上の本を基準に、同シリーズの他の本を自動的に集めます。
これらのスキルが強化されるにつれて、整理の効率は劇的に向上します。プレイヤーはただ本を掴み、自動的に集めて、書架を見つけ、自動的に上架するという、スムーズなサイクルを繰り返すことができるようになります。また、ダッシュ、ジャンプ、保持できる書籍数の上限アップといった4種類の補助魔法も、図書館の探索や作業をサポートしてくれます。
このゲームの核心的な楽しさは、まさに「やればやるほど楽になる(干得越多越简单)」と「混乱から秩序へ(从混乱到有序)」という体験に集約されます。図書館が徐々に整理されていく視覚的な変化に加え、製作者は音響効果にもこだわりを見せています。本が書架に戻るにつれて、環境音やBGMのエコー効果が変化し、書架が埋まるほどエコーがはっきりと聞こえるようになるのです。これら全てが、プレイヤーに「この3000冊以上の本は、あなたが整理したんだ!君は本当にすごい!」という達成感を強調するために設計されています。
奇妙な書名と隠されたユーモア
魔法図書館の書名にも注目です。真面目な内容の本がある一方で、クスリと笑えるような奇妙なタイトルも多数存在します。例えば、『異世界汚話大全』、『魔力値ゼロの私、最強魔法師に絡まれて離してもらえない?』、そして定番の『サキュバスの召喚術と応用解説』など、思わず想像力を掻き立てられるものばかりです。残念ながら、これらの本を読むことはできず、概要すら表示されませんが、タイトルからその内容を想像するだけでも楽しい体験です。
Steamの紹介によると、ゲームにはユニークなアチーブメント(実績)も用意されているようです。全ての書物をめちゃくちゃに収納して校長に解雇される、3時間以内に全書籍を整理する、魔法を一切使わずにクリアするなど、挑戦的なものからユーモラスなものまで様々。全ての本を手作業で並べ替えるのは至難の業ですが、その先の達成感は格別でしょう。ちなみに、全ての書籍を整理し図書館を後にした際の報酬は、まさかのピザ一枚。校長のささやかな気遣いもまた、このゲームの魅力の一つと言えるかもしれません。
余談ですが、この図書館の整理作業は、ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』に登場する蔵書閣の管理方法を思い出させます。書籍が「蔵書閣に収められた時間順」に並べられているという話を聞いた現代の読者ならば、きっと私と同じように「なんて非効率なんだ!図書館分類システムは本当に偉大な発明だ!」と感動を覚えることでしょう。現実世界の分類システムは、このゲームの魔法よりずっと複雑で、そして偉大です。
まとめ:デトックスとしての「魔法のお仕事」
正直なところ、ゲーム序盤の1~2時間は非常に骨が折れるかもしれません(最初のスキルをいつアンロックできるかにもよります)。しかし、「魔法のお仕事」も結局はお仕事ではありますが、単純な作業を通じてストレスを解消し、心流(フロー)体験を求めるのであれば、このゲームは意外なほどぴったりです。
一度クリアすると、「一鍵整理全部(ワンクリックで全整理)」という流れを鑑賞することもできます。これはまさに本物の魔法であり、見ていて非常に心地よいものです。慌ただしい日常から離れて、混乱を秩序に変える達成感と癒しを求めている日本のゲーマーにとっても、この『図書館員:整理魔法図書館吧』は新たなデトックス体験を提供してくれるでしょう。
元記事: chuapp
Photo by Mikhail Nilov on Pexels












