2026年2月の中国ゲーム業界は、活発な版号(ライセンス)発行、大手企業の戦略的動き、そして厳しい競争の現実が混在する一ヶ月となりました。テンセントがカジュアルゲーム分野に本格参入かという注目情報や、主要企業の業績発表、さらには新作発表や人員調整まで、多岐にわたるニュースが報じられています。本記事では、特に日本のゲームファンや業界関係者が知っておくべき重要なトピックを厳選してお届けします。
中国ゲーム版号、2月に152件承認!テンセントがカジュアルゲームに注力か
2月版号発行状況:国産146件、輸入6件
2026年2月27日、中国国家新聞出版署は2月分の国産および輸入オンラインゲームの承認リストを発表しました。今月は、国産ゲームが146タイトル、輸入ゲームが6タイトル、合計152タイトルに版号が与えられました。版号とは、中国でゲームを正式にリリースするために必要な許諾のことで、この承認がなければ販売・運営はできません。
国産ゲームの内訳は、モバイルゲームが大半を占め、「カジュアルパズル」ジャンルが52タイトルと引き続き人気を集めています。注目すべき国産タイトルとしては、テンセントの『雪中悍刀行之世子多娇』、Lilith Gamesの『タタ冒険隊』などが挙げられます。輸入ゲームでは、モバイル・クライアント両対応の『宝石戦争』や、モバイル専用の『小浣熊百将伝2』などが承認されました。
テンセント、カジュアルゲーム開発のHungry Studiosに出資交渉か
2月26日、海外メディアの報道によると、テンセントがカジュアルゲーム開発会社Hungry Studiosへの少数株投資について数ヶ月にわたり交渉しているとのことです。Hungry Studiosは2021年設立の中国企業で、特に「テトリス」とマッチングパズルを組み合わせた無料カジュアルゲーム『Block Blast!』が代表作です。このゲームは2025年までに全世界で月間アクティブユーザー3億人、ダウンロード数5億回を突破するヒットを記録しており、テンセントがこの交渉に成功すれば、世界のカジュアルゲーム市場での存在感を一層高める可能性があります。
主要企業の業績と戦略:明暗分かれる中国ゲーム業界
神州泰岳と氷川ネットワークの2025年業績:利益は対照的な結果に
中国のゲーム開発会社2社が2025年の業績報告を発表しました。
- 神州泰岳(Beijing Ultimate): 売上高は58.24億元(約1,200億円)で前年比9.74%減、親会社株主に帰属する純利益は7.98億元(約165億円)で44.09%減となりました。主力タイトル『Age of Origins』と『War and Order』の収入減少に加え、非経常損益の大幅減と米ドル為替レートの下落による為替差損が影響したと報告されています。同社は新規タイトル『Stellar Sanctuary』と『Next Agers』に期待を寄せています。
- 氷川ネットワーク(Youzu Interactiveの一部関連会社): 売上高は25.54億元(約530億円)で前年比8.40%減となったものの、親会社株主に帰属する純利益は4.79億元(約100億円)で293.77%増と大幅な増益を達成しました。既存タイトルの売上減少はあったものの、販売費用の大幅削減が利益増に貢献しました。同社は2025年第4四半期にSLG(シミュレーション)ジャンルの新作『X-Clash』を海外で展開しています。
天美J6スタジオの人員調整、miHoYoで従業員死亡の報道も
テンセント傘下のTianmei J6スタジオでは、人気パーティーゲーム『元夢之星』に追加された新コンテンツ「山海尋霊:捉寵大世界」が期待通りの成果を出せず、100名以上の従業員を対象とした調整が行われていると報じられました。また、miHoYo(米哈游)の従業員が死去したとの報道がSNSで広まり、miHoYoは社内声明で事実を認め、遺族への対応とケアを行うと発表しました。こうした状況は、中国ゲーム業界における厳しい競争と労働環境の一側面を浮き彫りにしています。
新作情報:Perfect Worldの『異環』、Blizzardの『オーバーウォッチ』モバイル版
新作ゲームの動向も活発です。
- Perfect World(完美世界)『異環』: オープンワールドRPG『異環』が、2026年4月23日にPC、iOS、Androidなど複数のプラットフォームで公測(オープンベータテスト)を開始すると発表されました。Unreal Engine 5で開発された本作は、既に2500万以上の予約数を獲得しており、二次元オープンワールドゲーム市場の新たな「内巻」(過当競争)を牽引するか注目されます。
- Blizzard『オーバーウォッチ:衝鋒(Overwatch Rush)』: Blizzard Entertainmentは、「オーバーウォッチ」IPの新作モバイルゲーム『オーバーウォッチ:衝鋒』の実機プレイ動画を公開しました。PC版の移植ではなく、モバイル向けに開発された新作で、4対4の俯瞰視点シューティングゲームとなる模様です。Blizzardがモバイルカジュアル競技市場に再挑戦する動きとして関心を集めています。
まとめ:激動の中国ゲーム市場、日本への影響は?
2026年2月の中国ゲーム業界は、規制緩和による版号発行の増加、大手による戦略的投資、そして市場の厳しい競争が入り混じる一ヶ月となりました。テンセントのカジュアルゲーム分野への注力は、世界のモバイルゲーム市場の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。また、各社の業績や新作動向は、今後のゲーム業界のトレンドを示す重要な指標となるでしょう。
中国市場で生まれたヒットタイトルや技術が日本市場に影響を与えることも少なくありません。特に、テンセントのような巨大企業が新たな分野に力を入れる動きは、日本のゲーム開発者やパブリッシャーにとっても見過ごせない情報です。常に変化し続ける中国ゲーム市場の動向から目が離せません。
元記事: chuapp
Photo by Mahmoud Yahyaoui on Pexels












