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中国高級アイス『鍾薛高』、無形資産2.1億円で落札。栄光と転落の歴史

Chinese premium ice cream - 中国高級アイス『鍾薛高』、無形資産2.1億円で落札。栄光と転落の歴史

かつて「アイスクリーム界のハーゲンダッツ」と称され、中国で一世を風靡した高級アイスブランド「鍾薛高(Zhongxuegao)」。その無形資産508件が先日、オンラインオークションで最終的に2110万元(約4億5000万円)という高額で落札されました。これは開始価格の9倍以上にあたり、1.3万人以上がオンラインでこのオークションを見守る中、621回もの延長入札が繰り広げられた激戦でした。一時は資本の寵児ともてはやされたブランドが、なぜ最終的に無形資産の清算という結末を迎えたのか、その栄光と転落の軌跡を深掘りします。

かつての栄光から転落へ:鍾薛高ブランドの終焉

「快科技」が5月9日に報じたところによると、鍾薛高食品(上海)有限公司が保有する508件の無形資産が正式にオークションを完了しました。この資産には、492件の商標、8件の特許、8件の著作権が含まれており、最終的な落札価格は2110万元でした。わずか207万元(約4450万円)の開始価格に対し、14人の入札者が激しく競り合い、621回もの延長入札を経て、最終的には開始価格の9倍を超える価格で落札されました。

このオークションは、かつて「雪糕(アイスクリーム)の神話」を創造した鍾薛高が、ブランドの終焉を迎える最後の瞬間を意味しています。かつては投資家から熱い視線を浴びたブランドが、今や資産清算の対象となるまでに凋落した様は、中国のファスト消費財業界における典型的な浮沈の物語として注目されています。

価格設定と炎上騒動:ブランドを蝕んだもの

「アイスクリームの刺客」と呼ばれた高級路線

鍾薛高の成功は、その登場当初から大きな議論を巻き起こしました。中国の一般的なアイスが数元から十数元で販売される中、鍾薛高は50元から60元(約1000円〜1300円)という価格設定で市場に参入。この常識破りの価格戦略は、瞬く間に消費者の間で「アイスクリームの刺客(雪糕刺客)」というあだ名を頂戴し、高すぎる価格が物議を醸しました。

鍾薛高側は、高品質な原材料を使用していることを高価格の根拠としましたが、多くの消費者にとっては心理的な抵抗が大きく、高級ブランドとしての認知はされたものの、気軽に手が出せる商品ではありませんでした。

相次ぐ品質問題とPR危機がブランドイメージを破壊

価格論争に加え、鍾薛高は数々のPR危機に直面しました。特に悪名高いのは「溶けないアイス(雪糕焼不化)」騒動です。高温下でもなかなか溶けないという実験結果がSNSで拡散され、消費者の間で添加物への不信感が募りました。

また、過去には「買いたいなら買えばいいし、買いたくないなら買わなくてもいい(愛買不買)」といった、傲慢とも取れるブランド側の発言がネット上で炎上。これらのネガティブなレッテルは、鍾薛高のブランドイメージに深く刻み込まれ、回復が困難なほどのダメージを与えました。当時、一部のメディアは悪意のある報道を指摘しましたが、すでに拡散された負のイメージは、ブランドの売り上げを急落させ、最終的には資金繰りの逼迫へとつながってしまいました。

まとめ:中国消費市場の教訓

鍾薛高の栄光と転落の物語は、中国のファスト消費財業界における典型的な事例と言えるでしょう。短期間で資本を呼び込み急成長を遂げたブランドが、市場の変化に対応できず、消費者とのコミュニケーションに失敗した結果、いかに脆く崩れていくかを如実に示しています。

この事例は、日本企業が中国市場に進出する際にも重要な教訓を与えます。単なる高品質や高級路線だけでは成功は難しく、消費者の心理を深く理解した価格設定、透明性の高い情報開示、そして危機管理能力がブランドの持続的な成長には不可欠です。鍾薛高が残した足跡は、多くのブランドにとってブランド構築と維持の難しさ、そして消費者からの信頼がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしています。

元記事: pconline

Photo by Abderrahmane Habibi on Pexels

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