中国でリリースされた話題の国産ADVゲーム『哀鴻:城破十日記』を巡り、思わぬ騒動が持ち上がっています。主人公の林婉婉(リン・ワンワン)のコスプレを公開したあるCoserに対し、「キャラクターを冒涜している」「不適切な寒いネタだ」と一部のファンから激しい批判が殺到。しかし、この批判に対しては「過剰なアンチ行為ではないか」という声も多く、中国のSNSでは白熱した議論が巻き起こっています。
物議を醸した国産ADVゲーム『哀鴻:城破十日記』とは
『哀鴻:城破十日記』は、人気作『明末:飢荒千里行』の開発元である零創遊戲が手掛けた、期待の国産アドベンチャーゲーム(ADV)です。今年の4月3日に正式リリースされました。
本作は、リリース前からその独特な設定で大きな注目を集めていました。特に主人公である女性、林婉婉の「士妓(しぎ)」という身分が詳細に描かれたことで、広範な議論を巻き起こしたのです。士妓とは、中国の歴史において教養や芸術に通じながらも、妓女としての側面を持つ女性を指します。この複雑なキャラクター設定は、ゲームファンの間で賛否両論を呼びつつも、多くの二次創作活動を促し、ゲーム自体の人気を不動のものとしていました。
コスプレイヤー炎上の詳細:「キャラ不尊重の寒いネタ」と批判の嵐
そんな人気キャラクターである林婉婉のコスプレが、先日、中国のSNSで大きな話題となりました。あるCoserが林婉婉に扮した動画や写真を公開したのですが、これが一部の熱心なファンから「キャラクターに対する敬意が欠けている」と批判の的となったのです。
批判の内容は、「コスプレ自体は良いが、その動画や写真が『烂梗』(らんこん:使い古された、あるいは不適切な『寒いネタ』)に終始しており、さらにそれを面白がって『いいね』をしている行為は、林婉婉というキャラクターを尊重していない証拠だ」というものでした。この騒動は瞬く間に広がり、中国版Twitterである「貼吧(Baidu Tieba)」では、「林婉婉coser玩梗,被批不尊重(林婉婉のCoserがネタに走り、不尊重だと批判される)」というハッシュタグがリアルタイムで30万件以上の議論を巻き起こす事態となりました。
世論の多くは「アンチのなりすまし」と反論
しかし、このCoserに対する批判的な意見がすべてではありませんでした。貼吧のスレッドの下には、多数のユーザーが批判に同意しない姿勢を示しています。彼らの多くは、今回の批判自体が「反串」(はんそう:アンチがファンを装って、コミュニティ内部を荒らしたり炎上を煽ったりする行為)ではないかと疑念を表明しました。
つまり、本当にキャラクターを愛するファンからの正当な批判ではなく、意図的にCoserやゲームコミュニティを貶めようとする勢力による「なりすまし荒らし」の可能性を指摘しているのです。この反論は、SNSにおける過剰な反応や、意図的な炎上工作に対する不信感が根底にあることを示しています。
まとめ:高まるゲーム人気とSNS炎上の影
『哀鴻:城破十日記』は、その奥深いストーリーとキャラクター設定で、リリース後も中国国内で高い人気を誇っています。今回のコスプレ炎上事件は、その人気の高さゆえに、ファンコミュニティ内部での解釈の違いや、SNS特有の過熱した議論が表面化したものと言えるでしょう。
キャラクターへの愛と表現の自由、そしてデジタル時代の「炎上」という現象は、常に紙一重です。中国のゲームシーンが盛り上がりを見せる中で、こうしたファンとクリエイター、そして表現者の間の摩擦は、今後も議論の種となることでしょう。日本でも似たような炎上事例は少なくなく、今回の件は、ゲームを巡るユーザー文化の複雑さを改めて浮き彫りにしています。
元記事: gamersky












