初代『ゴッド・オブ・ウォー』のディレクターとして知られるデビッド・ジャッフェ氏が、現代の3Aゲームにおける「映画的なストーリーテリング」の過剰な重視に警鐘を鳴らしました。彼は、ゲーム業界が過去20年間、「ゲームは映画のように見えなければ真剣に受け止められない」という誤った信念に囚われてきたと主張。この結果、核となるゲームプレイ体験が軽視され、リストラやプロジェクト中止の頻発に繋がっていると指摘します。本当にゲームをダメにしているのは、美しすぎるグラフィックの裏で失われつつある「遊び」の本質なのでしょうか?
『ゴッド・オブ・ウォー』の生みの親が語る「3Aゲームの病」
デビッド・ジャッフェ氏は、過去20年間のゲーム業界が「ゲームは映画のように見えなければ真剣に受け止められない」という間違った認識に陥っていたと批判しています。その結果、開発スタジオはストーリーとシネマティックな演出を最優先し、最も重要なインタラクティブなゲームプレイメカニズムを後回しにしていると指摘。彼によれば、この傾向こそが、現在のゲーム業界で頻繁に見られるリストラやプロジェクト中止の根本的な原因であるといいます。
ジャッフェ氏は、ゲームの本質が「インタラクティブな遊び」にあると強調し、プレイヤーが本当に求めているのは、ゲームプレイ主導で高い自由度を持つ「バーチャルサンドボックス」体験だと主張。ストーリーを進行させるために長々としたシネマティックを多用するような、リニアな3Aゲームのあり方に疑問を呈しています。彼は肯定例として、一貫してゲームプレイの革新を核としている任天堂の姿勢を挙げています。
業界に広がる賛否両論と本質的な問題
ジャッフェ氏の主張に対しては、業界内外から様々な意見が寄せられています。
支持派の声:「見た目だけ良く、面白くないゲームが増えた」
ジャッフェ氏に同意する人々は、「今の多くの3Aゲームは、見た目は良いが面白くない。一度クリアしたらもう触る気にならない」と感じています。彼らは、開発元がグラフィックにばかり費用を投じ、最も基本的な操作感やゲームデザインをおろそかにしている現状を「本末転倒」だと批判しています。
反対派の声:ストーリーとゲームプレイは両立する
一方で、ジャッフェ氏の意見は「極端すぎる」と反論する声もあります。『The Last of Us』や現行の『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズを例に出し、「これらはムービーシーンだけで成功したわけではなく、ゲームプレイとストーリーがお互いを高め合ったからこそ傑作となった」と指摘。優れたゲームは常に両輪で成り立っているとの見解です。
中立派の声:ゲームの種類による
また、「どのゲームかによる」という中間的な意見も存在します。『ゴッド・オブ・ウォー』のような作品は叙事詩的なストーリーが不可欠である一方、『マリオ』のような作品はゲームプレイに特化すべきだという考えです。全てのゲームを一つの基準で評価すること自体が問題であると論じています。
記事の筆者(Gamersky編集部)は、ジャッフェ氏の批判には価値があるとしながらも、「映画的なストーリーテリングがゲームを台無しにした」という結論は絶対的すぎると見ています。真の問題は「ストーリーが多すぎる」ことではなく、「ゲームプレイが周縁化されていること」だと結論付けています。開発者がグラフィックには投資するものの、操作感やレベルデザインの研鑽を怠るなら、「見た目は良いが面白くない」と批判されるのは当然である、というのが筆者の見解です。
まとめ:ゲームの未来:ストーリーとゲームプレイの理想的な融合
では、ゲームの理想的な姿とは何でしょうか? 筆者は、本当に優れた作品、例えば『ゼルダの伝説』から『エルデンリング』、そして『ゴッド・オブ・ウォー』から『The Last of Us』といったタイトルは、決してストーリーだけ、あるいはゲームプレイだけで成功したわけではないと述べています。それらの作品は、堅実なゲームプレイの土台の上に、物語性によって体験の芸術的な限界を引き上げているのです。
現代の3Aゲームは、確かに映画のような壮大なストーリーとグラフィックで私たちを魅了します。しかし、その陰で、本来ゲームの核である「インタラクティブな遊び」が置き去りにされてはいないでしょうか。日本のゲーマーの皆さんは、今の3Aゲームが映画的なストーリーテリングを重視しすぎて、ゲームプレイを軽視していると感じますか? あなたはゲームプレイ主導とストーリー主導、どちらのゲーム体験をより重視しますか? ぜひコメント欄であなたの意見をお聞かせください。
元記事: gamersky
Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels












