Home / テクノロジー / ゲーム / 中国ゲーム市場が急成長!テンセント、網易の戦略と『MLBB』巨額買収の衝撃

中国ゲーム市場が急成長!テンセント、網易の戦略と『MLBB』巨額買収の衝撃

Chinese mobile gaming Mobile esports scene - 中国ゲーム市場が急成長!テンセント、網易の戦略と『MLBB』巨額買収の衝撃

2026年2月の中国ゲーム市場が、驚異的な成長を見せて330億元(約6,930億円)を突破しました。この活況の裏では、大手企業が戦略的な動きを加速させています。網易(NetEase)はAIによる人員削減の噂を否定し、テンセント(Tencent)は好調な決算とともにAI戦略を強化。そして、人気モバイルゲーム『Mobile Legends: Bang Bang (MLBB)』を擁する沐瞳科技(Moonton Technology)は、60億ドル超(約9,300億円)という巨額でサウジアラビアの投資ファンドに買収されました。さらに、日本のゲームファンにも馴染み深い『陰陽師』の元プロデューサーが新会社を設立し、Unreal Engine 5での新作開発に乗り出すなど、世界のゲーム産業の最前線が中国から次々と発信されています。今回は、その最新動向を深掘りします。

中国ゲーム市場が絶好調!世界的トレンドと企業戦略の最前線

2026年2月、中国ゲーム市場は330億元超えの快進撃

中国音数協ゲーム工委が発表した「2026年2月中国ゲーム産業月度報告」によると、中国国内ゲーム市場の実質販売収入は332.31億元(約6,978億円)に達し、前月比2.35%、前年同期比18.96%という高い成長率を記録しました。

  • モバイルゲーム市場は227.29億元(約4,773億円)で、前年同期比9.05%増。
  • クライアントゲーム(PCゲーム)市場は88.70億元(約1,863億円)で、前年同期比56.75%という驚異的な伸びを見せました。
  • さらに、中国独自開発ゲームの海外市場における実質販売収入は21.14億ドル(約3,277億円)となり、前年同期比40.46%の大幅増を記録。中国ゲームの海外展開が引き続き強力な牽引役となっていることがわかります。

網易とテンセント:大手企業の戦略と動向

網易(NetEase)は、AIによる人員削減の噂を一蹴しました。最近、SNS上では「網易がAIを活用してアウトソーシング人員を削減する計画」との憶測が広まりましたが、網易はこれを事実無根と否定。一連の人員変動は、あくまで特定のプロジェクトにおける通常の業務調整と人員淘汰であり、企業運営の一部であると説明しています。

一方、テンセント(Tencent)は、2025年通期決算で売上高7,517.7億元(約15.7兆円)を達成し、前年比14%増と好調を維持しました。ゲーム事業も好調で、通期売上は2,416億元(約5兆円)、前年比22%増。特に、国内では新作『三角洲行動 (Delta Force: Hawk Ops)』が5,000万人以上のDAU(日間アクティブユーザー)を記録し、『王者荣耀 (Honor of Kings)』『和平精英 (Game for Peace)』『无畏契约 (Valorant)』といった既存タイトルも堅調に推移しました。

国際市場のゲーム売上も好調で、初めて100億ドル(約1.55兆円)を突破し、前年比33%増。Supercellのタイトルや『PUBG Mobile』、『鸣潮 (Wuthering Waves)』などが貢献しています。また、テンセントはAIが業績向上に大きく貢献しているとし、ゲーム開発の効率化、ユーザー体験の最適化、マーケティング効果の向上に多角的にAIを導入。さらに、大規模言語モデル「混元3.0」の社内テストを開始し、4月には一般公開を予定しています。

虎牙(Huya)も2025年第4四半期決算で、総収入17.4億元(約365億円)と好調でした。ゲーム関連サービスや広告収入が前年同期比59.4%増と大きく伸び、同社の「総合ゲームエコシステムサービスプロバイダー」への転換が順調に進んでいることを示しています。特に、自社発行したモバイルゲーム『鹅鸭杀 (Goose Goose Duck)』は、リリースからわずか24時間で新規ユーザー500万人を突破するなど、大きな成功を収めました。

沐瞳科技、サウジ財団に60億ドル超で買収!ゲーム業界再編の波

ゲーム業界に衝撃を与えたのが、沐瞳科技(Moonton Technology)がサウジアラビア政府系ファンド傘下のSavvy Games Groupに60億ドル(約9,300億円)超で全株式を売却したニュースです。2021年にByteDanceが約40億ドルで買収した際から大幅な増額となり、近年で世界的に見ても大規模なゲーム企業のM&Aとなります。

沐瞳科技は、上海に本社を置き、東南アジアを中心に絶大な人気を誇るモバイルMOBAゲーム『Mobile Legends: Bang Bang (MLBB)』の開発・運営で知られています。今回の買収により、沐瞳はSavvy Games Groupの完全子会社として独立運営を続け、現CEOの張雲帆氏を含む経営陣も留任します。サウジアラビア側は、今回の買収を通じて、アジアのモバイルゲームおよびeスポーツ分野におけるプレゼンスを急速に拡大し、中東と東南アジア市場の連携を強化する狙いがあります。

新たな挑戦と技術革新:開発現場の動向

『陰陽師』元プロデューサーが描く「Unreal Engine 5」の未来

前『陰陽師』や『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』のプロデューサーである金韜(ジン・タオ)氏が、元網易芸術設計センター総監の易修欽(イー・シウチン)氏と共同で新会社「芥子遊戲(Seed Games)」を設立し、大規模な人材募集を開始しました。

2025年10月から準備が進められ、すでに数千万ドルの初期投資を獲得。網易、テンセント、miHoYoといった大手企業の出身者を含む60名以上のチーム体制で、現在「Unreal Engine 5」を用いた「極めて魅力的なゲームアート作品」の開発を進めているとのことです。特に、AI関連の専門職(TA、AIGC方向、複合型AI人材など)も重点的に募集しており、技術とアートを融合させ、キャラクター表現、視聴覚演出、没入型体験に重点を置いた作品を目指しています。これは、内容品質と視覚的インパクトを追求する次世代のゲームが誕生する予兆かもしれません。

Newzooレポートが示すPC・コンソール市場の地殻変動

大手データ分析会社Newzooが発表した「2026 PCとコンソールゲーム市場レポート」は、ゲーム業界が深遠な変革期にあることを指摘しています。ハードウェア更新サイクルの長期化、開発コストの高騰、そして既存の成熟したIPでも成功が保証されないなど、過去20年間の業界発展ロジックが崩壊しつつあるとのことです。プレイヤーの総ゲーム時間は増えていないものの、ゲームコンテンツに対する選択はより厳しくなっています。

注目すべきは、中国がすでに世界最大の単一PCゲーム市場となっている点です。PCゲーム収入の成長率は世界平均を大きく上回り、ユーザー規模と収入規模の両面で世界をリード。アジア太平洋地域および世界のPC市場成長の核心的な牽引力となっています。また、サブスクリプションモデルやUGC(User Generated Content)プラットフォームが台頭し、業界の価値の中心が「一度きりの購入所有」から「長期的なユーザー参加と運営」へと移行していることも示唆されています。

まとめ

2026年2月の中国ゲーム市場の力強い成長は、単に経済規模の拡大に留まらず、各社の戦略、技術革新、そして国際的なM&Aを通じて、世界のゲーム業界全体に大きな影響を与えています。特に、AI技術の活用やUnreal Engine 5といった最先端技術への投資、そしてサウジアラビアをはじめとする新たなプレイヤーの参入は、今後のゲーム体験やビジネスモデルを大きく変える可能性を秘めています。

日本のゲーム業界も、このダイナミックな変化を注視し、新たな機会を捉える必要があるでしょう。中国発のトレンドは、もはや無視できない存在となっています。

元記事: chuapp

Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels

タグ付け処理あり:

メーリングリストに登録

毎週のニュースレターで最新情報をキャッチアップ。今すぐ登録して、大切な情報を逃さずチェック!

利用規約に同意します

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

AI特集

メーリングリストに登録

毎週のニュースレターで最新情報をキャッチアップ。今すぐ登録して、大切な情報を逃さずチェック!

利用規約に同意します

関連リンク

にほんブログ村 ニュースブログ ITニュースへ